【Vol.252】FIWA認定新会員 投稿コーナー


お金の向かう先 -人生の「目的」と「場」の創造 –

つばめ投資顧問合同会社パートナー
個人投資家/気象予報士 森和夫 森 和夫、FIWA®
*FIWAは金融商品の販売を行わないアドバイザーに与えられる称号です


森 和夫 プロフィール

Mori san

1968年、名古屋生まれ。気象予報士。
筑波大学第一学群自然学類卒。気象学専攻。大学時代の研究テーマは「20世紀100年間の北半球気温における気候ジャンプについて」で、非線形方程式に支配される場におけるカオスな気象現象を抽出・研究。天気のカオス性と株価変動の不確実性の類似点から、その振る舞いに惑わされない、企業価値をベースにした「超長期投資」を実践。現在、つばめ投資顧問合同会社のパートナーとして、超長期投資の普及に努めている。8年前からは、投資で得たお金を児童養護施設への「寄付」へ回し、投資の本質的意味である「社会貢献」も継続中。

投資はお金を通じた、長い人生の付き合い

私は、現在、本業の気象事業を続けながら、つばめ投資顧問で長期投資のアドバイスのお手伝いをしています。その中で、特に重要なこととして、「価格の変動に惑わされないこと」、「本質的な価値(企業の成長)を理解できるようになること」をアドバイスさせていただいています。

ほとんどの会員様は、将来の不安や一攫千金を得たい、というような要因で訪ねて来られますが、本質的には、①良いものをずっと持って自分の人生の不安を払拭し、その上で、②そんな「場」を共有し仲間を増やす、さらに、③得たものを分け与える、ことをお伝えしています。

「気象」と「投資」って何?

そんな中、私の本業の「気象」と「投資」においては、類似点があることをベースに、投資との長いお付き合いの仕方について説明をさせていただいています。

表 1 気象と投資の類似点・相違点

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肌身で感じている天気現象のように、日々の価格の変動に惑わされず、価値ある企業をなが~く持てば、勝手に投資先企業が幸せを運んでくれることに気づきます。なぜなら、皆、日々の暑さ寒さの細かい変動は気にしないですし、長い目で見て夏は暑いし、冬は寒いことを知っているからです。

日本人らしさ、日本人の心、仏教

その上で、もう一つ。

枕草子の第200段『野分のまたの日こそ』では、台風(野分)でお家が壊された平安時代の人々の描写があります。この中では、大きな災害ですが、起きたことはそれとして受け止め、早朝から復旧に勤しむ人々が生き生きと描かれています。

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つまり日本人は、平安の世、もしくは災害立国である太古の昔から、このような不確実な出来事への「身の処し方」を会得しています。また、仏教文化(諦観)も根付いており、起きたあとは狼狽せず、冷静な対応をします。このようなセンスを、今後の投資や人生に活かすことが私たちの良い生き方でしょう。(右図:源氏物語 手鑑 野分から引用)

目的を持った投資活動と人生目的 - なんのために投資をしているの? -

ここまでは、投資のテクニックや心構えの話をしてきました。「お客様は、何のために投資をしているのでしょう?」また、「お客様は、なぜお金持ちになりたいと思っているのでしょうか?」

私は、そのお客様の人生観や人生目的をしっかりお聞きすることで、お金の心配を払拭してあげること、そして、そのお客様に寄り添った心のこもったアドバイスを心掛けるようにしたいと思っています。お客様の人生目的を引き出し、目的意識を持った豊かな人生をアドバイスできれば、嬉しい限りです。

「場」・コミュニティの創出 - 定年後は皆、いきなり一人に

今後の大きな課題となるのが、人付き合いの希薄化から生じる「ボッチ」感。サラリーマンは定年までは企業の意義を持って日々生きていると思いますが、定年の瞬間にそれまで積み上げてきたものを失います(失う方が多いと予想されます)。

私は、本業の気象事業でネットのB2C事業、つまり企業(B)が個人の方(C)への情報提供をし、お客様の満足度を上げる事業をしてきました。今の世はネットの発展もあり、参加している人々が横連携で情報交換・馴れ合うC2Cの形も発達してきています。

私は、お金のアドバイスを通じて、皆が助け合える「場」・コミュニティを創出することで、お客様を含む全員の力で社会を良くする・豊かな人生を獲得するお手伝いをしたいと思っています。

Give&Give&Giveの精神 - Give&Takeはサラリーマンの発想!

最後に、私たちアドバイザーやアドバイスを受けるお客様、すべての人が取り組むべき話があります。それは、人の価値観は多様的、さまざまですので、お互いの価値観を尊重すること。さらに、「人に与える」社会を実現したいと思っています(私も8年前からの寄付を始め、人生の考え方が変わりました)。

お金という手段を通じて、お客様へ「場」を提供し、Give&Give&Give の精神を実践する。お客様が豊かな人生を獲得できるように、引き続き努力をしてまいりますので、今後ともよろしくお願いします。