【Vol.247】FIWAマンスリー・セミナー講演より(講演2)

200%の人生を実現する Art of living, art of investing

講演 FIWA理事長
岡本 和久 CFA, FIWA®
レポーター 赤堀 薫里

OkamotoKT

私の52年の証券市場の人生で学んだ非常に貴重なことの一つは、投資の成功と心の持ち方は密接に関係しているということ。2番目として、幸福な人生は心の持ち方で実現するということです。単にお金が多いとか少ないとかそういうことではなく、心の持ち方が非常に重要です。そして心の持ち方は、少なくとも私の場合は毎日の瞑想によって方向づけられていきます。

瞑想の歴史は非常に古く、紀元前2000年から3000年の頃からすでに行われていました。その中でも、ヒンズーの太古の文献、ヴェーダによる瞑想が最も古い瞑想法です。今日、私が実践しているのが、1957年マハリシ・マヘーシュ・ヨーギが現代に復活した瞑想法です。

マハリシ・マヘーシュ・ヨーギが世の中に伝えた瞑想は世界中に600万人以上の人々が学んでいます。このヴェーダの知識に根差す瞑想法は、非常に深い休息の効果があります。これは宗教とは全く関係なく「意識を扱うテクニック」です。

『マハリシのTMの教えは、ストレートにその絶対至福の意識、絶対的な『存在』の意識まで到達する。そうすればすべてが解決するという、非常に明快な素晴らしいテクニックです』と言われています。TMを実践する有名人、著名人はたくさんいます。非常に多くの科学的な研究にも裏付けられていました。

小さな意識で固まっていると、ストレスに弾かれてしまう。意識が大きくなっていると、ストレスの方が跳ね返されてしまう。我々が通常認識している世界は、相対領域、表面のところですね。だんだん意識を沈めていくことによって、想念の源を超越して存在に到達できる、このような効果があるという話です。

日々我々の周りで起こっている出来事と同じように株式市場も上がったり下がったりします。これが良い方にも悪い方にも大きなストレスになります。しかし、だんだん意識を落ち着かせていくに従って、振れが小さくなっていきます。これが想念の源であり、相場変動の源でもあります。意識があって、時間軸と空間軸を広げて行く。

いわゆる今の自分に意識があると、時間軸と空間軸が非常に短い。一番上の荒波の部分に揺さぶられているということになります。これがストレスとなります。空間軸と時間軸を広げていくことによって落ち着いていき、ストレスが小さくなります。このような効果が言われています。

『ストレスを避けるのではなく、受け入れてうまく付き合っていくことでレジリエンスが身に付く。ストレスは悪いものという『思い込み』を変えることで、『体の反応』を変え、『選択』までも変えてしまう』、ケリー・マクゴニガルさんは『スタンフォードのストレスを力に変える教科書』でそう述べています。視野が時間的にも長くなり、空間的にも広くなってくる。これも同じことだと思います。

マハリシ語録。『ビジネスマンはよく『瞑想をする時間がありません』と言います。私は『それでは、いつまでも奴隷でいなさい』と笑うのです。彼はせっかく主人になれるのに、そのために時間を使わないのです。何という生命の浪費でしょうか』、時間の価値を高めていくことが瞑想であるということです。

さらに『より良い人間になろうと思えばいいのです。ただ、それだけです』、この信念をしっかり持てばそれでいいのだと。『経済とは、より少ない行動で最大を達成するということ、最小作用・最大達成ということです。もっといえば、単に少なく行うというだけでなく、何もしないで全てを達成すること、それが経済の最高のレベルです』、経済性を高めていくということは最小の作用によって、最大の効果が得られるようになる。それが瞑想であると言っています。

瞑想によって意識が拡大します。するとストレスも軽減して心身も健康になります。そしてお金と投資、ご縁のネットワークでどう生きるのか、ということを学んでいきます。長期・分散・継続投資への確信が生まれます。短期的株価変動への耐久力にもなります。そして静寂さ、無敵性、絶対。至福感が得られます。このようにしてしあわせ持ちになっていきます。物心ともに200%のしあわせ持ちになることができます。

「薄紙の法則」と私が呼んでいるものがあります。なんでも少しずつ長い期間休まず続ける。これは生きていくうえで本当に大切なことです。資産運用もそうです。瞑想も仕事もそうです。人生の毎日の生活もそうです。少しずつ長い期間、休まず続ける。こうやってお金の経済的束縛の最小化ができます。そして、心の面で幸福感の最大化ができます。

ある意味、資産運用というものと瞑想は人生にとって両輪なのだろと思っています。瞑想をすることによって、資産運用がうまくいくというプラスの効果があります。私自身、瞑想がとても役立ったと思っています。

講演の冒頭にマハリシ総合研究所の西田先生の指導のもと3分間のQuiet time(静寂の時)を体験しました。また、行動ファイナンス理論や神経経済学とサプライズについての説明、また、株式のリターンの源に投資することの重要性について解説くださいました。