【Vol.237】土井 広文氏講演

「庭の草を食べて生き延びた極貧からの脱出ストーリー」

講演 土井 広文氏
レポーター 赤堀 薫里

プロフィール

土井 広文氏 みんなお金持ち お金学校主催
1975年8月22日生。食べ物が買えない程の貧困を体験し「お金とはいったいなんなのか?」と疑問を抱いた事がきっかけとなりお金について学ぶ。そしてわかったことは貧困の原因は「お金の事を知らな過ぎた」と言う事。それから岡本和久先生と出会い、直接投資を学び分かった事は投資に関して「難しい知識」は不要だと言う事。学んだ事を周りに共有する事でみんなのお金が増える事を体験。多くの人がお金の不安を抱えているこの日本で専門知識がない普通の人でも無理なく増やせるお金の話しを伝え広めるべく活動。無料メルマガ配信や月刊誌「ザ・フナイ」にお金と投資に関する記事を連載中。公式サイト「みんなお金持ち お金の学校」を運営。

土井 広文

私の経験を通して学んだことで、これからの人生において、大事だなと思うことについてお話していきます。お金そのものに関する本を読む中で、お金とは自分が創造した価値が記録された紙であるということを学びました。経営者さんであれば、お客様に提供した価値の量。お勤めであれば、お勤めの会社に提供した価値の量が記録された紙だということです。

価値とは何かというと、嬉しい気持ちの変化ですね。例えば、洋服を買ったとします。布切れ自体にお金を払っているわけではなくて、この服かわいいなとか、おしゃれだなという気持ちの変化に対してお金を払っています。車を買ったとすると、車を買うことによって生活が豊かになる、その気持ちの変化に対してお金を払っています。また、映画を見に行った時は、面白かった、感動したという気持ちの変化に対してお金を払っています。全ての消費行動には、意識しようとしまいと、嬉しい気持ちの変化が伴っているということを知りました。

今思えば当たり前のことだなと思いますが、当時の私には新しい発見でした。貧乏を経験する前にも何度か株式投資をやったことがありますが、何をやっているかわからない会社の株価を追いかけて、売ったり買ったりの博打のような投資をしていました。この発見が投資を正しく理解することとなりました。儲かりそうな会社ではなくて、世の中に必要とされている会社に投資をすればいいのであり、儲けはその後の話であるということがわかりました。

お金とは、投資とは、豊かさとは、こういうことなんだろうと、自分の考え方がまとまってきたころに出会ったのが、岡本先生のピギーちゃんの紙芝居でした。自分なりに漠然と考えてきたことと同じことが、紙芝居の中に完全な形で語られていました。しかもそれが子供に伝えるためのものでした。この紙芝居で語られるお金とは感謝のしるし。お金持ちは感謝もち。お金はご縁のネットワーク。お金だけでなくてそのほかにも健康・家族・友達・趣味・社会貢献と6つの富のお話。ハッピー・マネー分法など、どれも豊かに幸せに生きていくために大切なお話でした。それが子供にも理解できる紙芝居になっています。

今は貧困が問題になっていますが、貧困は持っているお金が少ないことが問題ではなく、お金のことを知らないことが問題だと思っています。私は極限の貧乏だった時に、自分が貧乏なのは、会社のお給料が少ないからだとか、政治が悪いから、家が貧乏だからだと自分以外の誰かのせいだと思っていました。でも原因は全て自分にありました。お金のことを知らな過ぎたというのが原因でした。

今年から高校で投資の勉強が始まります。しかし『投資の勉強=お金の勉強』ではないと思っています。投資の勉強というのは、お金という分野の一部だということです。投資の目的はお金を得るためのものですが、その前に、これから手に入れようとしているお金とは一体何なのかを知ることが、とても大切なことだと思っています。手に入れようとしているお金が、何なのか。どうすれば世の中を流れるのか。もっと言うと、どうすれば自分に向かって流れるのか。このお金を理解することで、初めて投資を理解することができると思います。お金が何なのかわからず投資の勉強をしてもあまり意味のないことだと思っています。

今後、お金の知識はますます重要になってきます。日本は30年間にわたってお給料が上がっていないと言われていますが、そんな中でも、税金や社会保障費用、物価がどんどん上がってきます。何も学ばなければ、どうしても将来お金に困ることになると思います。そのためお金の勉強は、本当に大切だと思います。私が極限の貧乏から脱出する過程で学んだこと。それはお金を知るということ。大切なのはお金の量ではなくて、お金の知識とその取扱い方法を知ることです。

これについては多分学校では教えてくれないと思います。貧困を経験した時に、『なぜこんな思いをしなければいけないのか』と思いました。あの時があって、今こうしてお金の話ができるようになりました。あの出来事がなければ今の自分はありません。辛い出来事は、将来の幸せのために起こると思っています。子供の頃、私は作文が大嫌いで、いつも放課後に居残りさせられていました。しかし、今は文章を書く仕事をしています。文章を書いて、感謝のしるしも頂いています。毎月私の記事を楽しみにしてくださっている方が大勢います。『土井さんの記事のおかげでお金の不安がなくなりました』とも言ってもらっています。

これから皆さんは、夢に向かって社会に出ていくことになると思いますが、その中で『なぜこんな思いをしなくてはならないのだろう』と、思うことが多々あるかもしれません。でも全ては未来の自分が幸せになるための神様からの宿題だと思っています。大きく成長した未来の自分が待っていると思いますので、楽しみながら夢に向かって困難という宿題を乗り越えていってほしいと思います。

講演では、食べ物を買えないほどお金に困窮した経験をつまびらかにお話いただきました。また、そこからお金と真摯に向き合い、お金について学んだことで、見事脱出した経緯や、お金を知ることの重要さと、お金について学ぶべきポイントを示唆いただきました。