【Vol.278】FIWAアドバイザー事例研究&スキルアップ講座より
2026年の世界経済・市場展望 ~世界経済は、年前半に調整のあと、長期上昇へ ただし日本株は、目先は「選挙相場」との綱引き
ブーケ・ド・フルーレット 代表 馬渕治好(まぶちはるよし)氏
1981年東京大学理学部数学科卒、1988年米MIT修士課程修了。米国CFA(証券アナリスト)。
マスコミ出演は多数。個人投資家などに向けてセミナー講演を行っている。芸風のすべるダジャレも一部マニアに人気が高い。
セミナーのスケジュールは「ブーケ・ド・フルーレット」のホームページ参照。
世界株価。日本もアメリカもヨーロッパも新興国も含めて世界的に株価は年前半に調整。年前半に下がった後、年末に向けてまた上がると思っています。その先、来年、再来年という長期展望でも上がっていく方向だと考えています。
ただ、日本株だけ非常に目先の話ですが、ちょっと違った動きをするでしょう。足元で、選挙になるということが伝えられ、それによって現在の高市政権が、大勝ちはしないと思いますが、もう少し議席を伸ばして、その結果、政治が安定するのではないのか。政治が安定するというのは、一般論的に言っても株価の上昇要因ですのでもう少し上がる、ないしは他の国の株価が調整に入ってしまっても、横ばいか小幅下落ぐらいで済む。投票日は 2月8日(日)になりましたが、そのあたりまでは続くと思います。目先は世界のいろんな株価が調整色を強める中で、日本株はあまり調整しないという状況になるでしょう。ただ、選挙が終われば、やはり1回、他の国の株価と一緒に下がる方向になり、その後上がるといった結論を持っています。
おそらく年前半、一回下がると思っています。その最大の理由は、今株価が高すぎるということです。特に日本株よりはアメリカ株は、もう正当化できないぐらい高い。 マーケットは常に正しいと言う人がいますが、しょっちゅう間違えると思います。マーケットの価格は投資家が売買して決まります。投資家は、全部正しいことを分かっているかというと、分かっていません。集団で極端な楽観になることもありますし、極端な悲観になることも度々起こります。マーケットは頻繁に間違います。
ただ、マーケットは、参加する多くの投資家からの知恵が集まっているので、最終的には実態に戻るわけです。実態から、上にも下にも乖離して、その状況が比較的長く、半年や一年続くことはよくあります。
今のアメリカ株を中心として、特にアメリカ株は高すぎるわけですが、いずれは落ちるだろうということを考えています。
どのくらいそういった実態を無視した相場が続くかは分かりませんが、おそらく今年の早いうち。こんなめちゃくちゃな買われすぎの株価がさらに1年持つとは思えないので、今年の前半に落ちる。高値から2割ぐらい落ちると考えています。2割程度の下落は軽度な反落だと思います。日経平均は、今50,000円超えているので、10,000円以上落ちるわけです。2割株価がブレるということは頻繁にあることです。今まで株価が世界的に概ね順調にきたので、おそらく資産運用をされている個人の方にとって「2割下がることは地獄に落ちるのと一緒だ」という感覚だと思いますが、そちらが誤っているでしょう。
今後のポイントは2割下がった時にどうするか。セミナーのお客様には「2割下がってもどうせ上がるのだから、いつかはまた高値を取り返すので何もしなくていいですよ。ずっと持っていればいいんじゃないですか。」という話をしています。もしくは積立投資であればますます「何もする必要はないです。ずっと積み立ててください。」また、比較的頻繁に売買しようとする人については「2割下がってもそこから上がっていくので、売りで取ろうとはしないでください。現物を全部売ってしまう、インバース系のETFを買うというようなことはしないでください。下がったら買いましょう!」なんですけど、見通しが外れてそんなに下げない可能性もゼロではないので、「下がらなくても諦めて買いましょう」ということを言います。諦めは肝心です。ブレることに対する心理的抵抗力を持つ。それは2割下がるかもしれないという見通しを頭に置いておけば、「世界が地獄に落ちるわけじゃないよね。想定したことが起こっただけだよね。」と言って悠然としていられるのではないのかなという話をしたりしています。
「経済実体で何か株価下落を正当化することがありますか?」と言われれば、一番心配しているのはアメリカ経済の悪化です。「トランプ関税のせいで物価は上がるし、景気にブレーキがかかるんでしょ?」ということを言う人がいますが、その人の主張を裏返しで考えれば、「トランプ関税さえなければアメリカ経済は大丈夫なはずだった」と思っているわけです。しかし、それは誤りです。トランプ関税が導入される前から表に現れてはいませんが、アメリカ経済はじわじわと悪化を続けています。もともと悪化しているアメリカ経済にトランプ関税が乗っかることによって、さらに悪くなるという見方をしています。表面的にアメリカ経済が悪くなっているといっても、「経済指標は、そんなにひどくないよね?」と思うかもしれませんが、これからひどくなってくると思います。しかし、リーマンショックの再来とか、コロナショックの再来にはならないので、2割程度の調整で済むと思っています。
トランプ関税のせいもあって、アメリカで景気の悪化と物価の上昇が同時に起きるということになると、アメリカのマーケットを支配するのは、景気が悪化するというテーマがマーケットを主に支配すると思います。
講演では、2026年の世界経済・市場展望について、データを用いて根拠を分かりやすく解説。また、最近表れた地政学・政治的なリスクについても説明してくださいました。



