【Vol.272】FIWAサロイン塾講演より(講演)
投資信託を学ぶ
特定非営利活動法人 みんなのお金のアドバイザー協会 代表理事 会長
ファイナンシャル・ヒーラー 兼 投資教育家
岡本 和久CFA
レポーター:赤堀 薫里
(以下は7月20日に開催された第四回サロイン塾での岡本の講演の前半部分を要約したものです)
「将来の自分は今の自分が支える」いう人生を通じての資産運用に不可欠な素材が、投資信託です。相場が上がるか下がるか、どの銘柄が大幅高するか下落するかは分かりません。短期の投資はまさに投機でしかない。マニアックな趣味の世界でやる人は、それはそれで構わないと思います。しかし非常に長期にわたって、将来の自分を今の自分が支える資産運用をする方には不適切です。
私が提唱する相場感無用、銘柄選択能力無用、経済予測無用、難しい投資理論無用、日々の投資情報も無用の5つの無用の資産運用の鍵は、投資目的に合った投資信託を選択することです。なお、投資信託は、時にはファンドや投信と呼ばれたりしますが投資信託のことです。
投資信託を選択する時に大事なことは投資哲学を買う。そして過去のパフォーマンスを過大評価しない。過去5年間良かったからこのファンドはいいと思うと、次の5年間はダメになるということが多いため、気をつけなければいけない。また、売り込まれたものを買うのではなく、本当に自分が必要とするものを選ぶ。重要なのは運用会社がどういう運用をするかということです。私が考えるいい投資信託を運用する会社とは、まず特化していること。そして特化した分野の運用が最適な形でできるような人材の配置がされている。特化した人材でなければいけない。人間もその分野でプロとしてずっと生きてきている人。そして、自社の運用に無駄な経費をできる限り削減して、お客様のために運用していくことが重要でしょう。
このようなことをアメリカでは5つのPという言い方をしています。まずフィロソフィー。運用するには、企業のビジョンやミッションがしっかりあって、企業がその運用に沿った歴史を持っている。資本市場の効率性、あるいは見通しを得意とする運用分野、分析の手法が運用哲学として確立されて持っている。それは非常に重要です。
私も実際ニューヨークにいた時に親しくしていた運用会社は、大型成長株に特化していました。小型株に関しては一切興味ない。でもそうはいっても、大型成長株が全然人気の圏外でバリュー株ばかり上がることがあります。その時彼らは、「自分たちはこの分野で最高の力を発揮できるので、相場がそこに向かない時は、マーケットに負けないような運用をする。ただそこで極端なプラスアルファを狙うことはしない。これは哲学だから。相場が自分たちに味方しないのあれば、それはそれで相場並みのマーケット並みのリターンを狙っていく。だけど、儲けるときには大きく儲けるんだ」と言ってました。
それからプロセス。これは社内の体制、運用の仕方がきちんと出来上がっていること。そしてピープル。これは人材。「私は成長株もできます。バリュー株もできます。小型株も選ぶのがうまいです。」そうではないです。やはり特化した人、その分野に生涯をかけてプロとしての道を歩んでいる人達でできた組織である。その分野の専門。そこにプロとしての自分の価値をかけているということです。そういう人たちが生み出すポートフォリオがファンドが長く続いて、そのパフォーマンスが哲学や運用プロセス、運用する人たちの質的なものを反映したものになっていること。それに基づいて銘柄選択が行われ、売買が行われる。そういうことがポートフォリオです。
そして最後がパフォーマンス。このようなフィロソフィー、プロセス、ピープル、ポートフォリオ。これらの全部の結果として出てくるのがパフォーマンスです。パフォーマンスで重要なのはスタイルドリフトをしないということ。スタイルドリフトとはスタイルが変わってしまうこと。「これからは成長株ですよ!小型株ですよ!」あるいは海外がいいというような特別に目につくようなところがあると、今までと投資方針を変えて、儲かるところに移ってしまう。
スタイルドリフトがないために重要なことがこの5つのPです。しかし、本当にパフォーマンス競争をしていると、日本のファンドでも時々あると思います。ついつい今儲かりそうなところに中心を移してしまう。でもそれは投資家が本来この運用会社に頼んだ内容とは違ってきてしまいます。そこに哲学があって、それを投資家が採用するというそこが変わってしまってはいけないのです。日本でもそこはこれからとても重要だと思います。
投資信託選びで重要な点は、純資産が大きく、投信会社にとって非常に大切な商品であること。どうでもいい小さいファンドは閉鎖されてしまうリスクがあります。そうすると積立投資を定年退職まで増やしていこうとずっとやっているのに、それが潰れてしまった、あるいは閉鎖されてしまうことは非常に大きなダメージがあります。純資産が大きいと簡単には潰れない。また対象ファンドが十分な収益を生み出して、その運用会社にとって非常に重要であるということ。そして対象のファンドを運用するその経営方針が揺るがないこと。株主である組織が資産運用業務の将来性を理解していること。特に長期でやっていると、金融業界が大きな不況に陥ることも必ず遭遇します。その時に何が起こっているのか理解できて、正しいことを続けていくことができることが重要だと思います。
講演では、投資信託関連の歴史を紐解き、投資信託のメリット、デメリットについて説明。また、インデックス運用とアクティブ運用の特徴についてわかりやすく解説してくださいました。
講演当日の動画は以下のサイトからごらんいただけます。
https://youtu.be/tLdTWhAr5pE?si=nwNL2ENghjl7DLmm
(文責FIWA®)



