【Vol.264】FIWA仲間たより
金融教育 x 心理学で「心豊かなお金とのつき合い方」を普及したい
寄稿:上原 千華子 FIWA®認定正会員
プロフィール
株式会社ウェルス・マインド・アプローチ 代表取締役。
欧米系投資銀行に17年間勤務し、個人投資家歴25年以上の金融教育家。 心理学NLPの資格を取得。金融教育と心理学・脳科学を融合した独自メソッド「ウェルス・ファイナンシャル・セラピー®」 を考案。2023年には書籍『ファイナンシャル・セラピー 〜「お金の不安」をやわらげる科学的な方法〜』(日本能率協会マネジメントセンター)、2024年に韓国語版『お金の脳科学』を出版。 趣味はエレクトーン演奏とアロマスプレー作り。
なぜ金融教育 x 心理学・脳科学なのか
はじめまして。FIWA®認定アドバイザーの上原千華子です。現在、東京を拠点に金融教育家として活動しています。企業や自治体、大学での登壇、個人向けコンサルティングやマネー実践講座、メディア・書籍執筆など、幅広く活動しています。
世界情勢の不透明感が高まる今、「長期積立・分散投資がよい」と頭でわかっていても、相場の変動に合わせた投資行動が後を絶ちません。淡々と積立を続ければ安定的な資産運用ができるのに、なぜ値動きに一喜一憂してストレスを抱え、途中で投資をやめてしまう人がいるのでしょうか。「新NISAで投資ブームの今こそ、価値観に合った資産形成を実践してほしい。」そういう想いから、数字だけではなく心理学・脳科学の観点からも、金融教育活動を行っています。
私が独自メソッドを開発した背景には、金融知識だけではお金の不安が消えなかった自身の経験があります。宮崎県で銀行員の父と専業主婦の母のもと育った私は、食卓で預金や税制優遇の話題が飛び交う恵まれた環境にいました。しかし、大学入学直後に父が急逝し、経済的な危機に陥った経験が人生を大きく変えました。
「何としてでも大学を卒業させる!」母は50歳で初めて就職し、さらにリスクを取って投資を始めました。そのおかげで私と兄は大学を卒業できました。この経験は、金融商品の力を身をもって感じる一方で、「突然お金がなくなったらどうしよう」という漠然としたお金の恐怖心を私に植え付けたのです。
その後、外資系投資銀行でキャリアを築きました。ところが、ハードに働いても資産運用をしても、お金の不安はどんどん大きくなっていったのです。独立後、心理学・脳科学を学ぶ中で、お金のトラウマに気づき、克服した経験が「ウェルス・ファイナンシャル・セラピー®」誕生のきっかけとなりました。アメリカやインドには、ファイナンシャル・セラピー協会があり、世界中で注目されている新領域です。
このように、「お金に対するネガティブな経験・思い込み」は心の重荷となり、生きづらさにつながることがあります。さらに心理学・脳科学を学んだところ、その背景には、お金のトラウマだけではなく、幼少期から培われた「お金ぐせ」が大きく影響していることが分かりました。その「お金ぐせ」は両親から受け継ぐことがほとんどです。そこで私は、金融教育に心理学・脳科学のエッセンスを加えました。具体的には、金融知識の提供とともに「お金の価値観ワーク」を行い、自身の「お金ぐせ」を知ったうえで、心から望む人生設計を行います。そこから逆算してライフプランを立てて、健全なマネー習慣、資産形成につなげるメソッドです。お金のことが苦手な人も、お金を持つと気が大きくなる人も、お金とのつき合い方を見直して、自分の価値観に合ったライフプラン・資産形成を多くの方に届けることが私の使命です。
実は独立以来、「いつか同じ理念の方々と一緒に活動したい」と思いつつ、ほぼひとりで金融教育活動を行ってまいりました。この度、岩城みずほ理事長とご縁があって、詳しくお話を伺う機会をいただきました。理事長のお人柄と理念に大変感銘を受け、「一緒に活動していきたい」とすぐにFIWA®正会員に申請、認定されて光栄に思います。
高い倫理観を持ち、公正な立場で活動しているFIWA®の皆様とご一緒できることを楽しみにしています。FIWA®の皆様と連携し、日本に高品質な金融教育を提供するとともに、 「心の豊かさ」と「資産形成」を両立できる未来を実現していきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
【会社HP】
株式会社ウェルス・マインド・アプローチ
知見を活かした貢献ができればと思う次第です。