【Vol.251】インベストライフ・アーカイブより

「円」と「縁」:ふたつの御「エン」を大切にする生き方(1)

対談:岩國 哲人氏、岡本 和久

Mr. Iwakuni

私の大先輩、岩國哲人さんが2023年10月6日に逝去されました。私が日興證券に入社したのが1971年、配属になったのは国際金融部、そのころ1959年入社の岩國さんは海外部門で大活躍をされていました。まさに憬れのスターでした。
伝説として語られた数々、入社1年目に世界で初めてボンド・ファンドを開発、発売。1円単位で売買できるのも初めての試みでした。二年目にマル優制度を提案し創設、アメリカ市場で初の日本株ファンド、ジャパンファンドを発行、ヨーロッパの発行者のために円建て外債を日本で発行・・・。新しい誰も考えたことのないようなアイデアがどんどん生まれ、行政の抵抗もあったと思いますが正論で説得、とにかく実現されました。
支店長会議などで日本に帰国されたとき、遠くからながめる岩國さんは光り輝いていました。岩國さんのように仕事がしたい!憬れの人でした。
その後、2012年にすでに日興を退職していた私がシカゴに出張したとき、シカゴにお住いだった岩國さんとディナーをご一緒しました(写真)。若々しいお話をたっぷり伺いました。
そして2013年、毎年欠かさず帰国し高校野球を観ておられた岩國さんと対談をさせていただきその記事を二回に分けてインベストライフに掲載しました(2013年10月、11月)。この記事はその第一回分です。
本当に生活者のために良いことであれば誰がなんと言ってもそれを推し進める。今回も岩國さんに背中を押されている気がします。ご冥福を祈ります。

(インベストライフ 2013年10月号より)