【Vol.250】インベストライフ・アーカイブより

しなやかな日本論 第3回 
40年単位で考える日本の近現代 その2

千葉商科大学大学院教授 伊藤 宏一氏

近代日本の起点である1868年の明治維新をはじめとし、1905年の日露戦争勝利までの約40年が「富国強兵の上り坂」の時期だ。その前半20年は、「革命」に近い「ますらおぶり」への変革だったように思える。
まず信仰問題を考えてみよう。明治維新までは神仏習合だった。たとえば宮中。幕末の宮中では、仏教や陰陽道や民間の俗信などが入り混じった祭儀や行事が行われていた。新嘗祭などのほか、節分、端午の節句、七夕、盂蘭(うら)盆などの民俗行事があり、即位前の明治天皇が病気になると祇園社などに祈願し、護持僧に祈祷させた。

(インベストライフ 2011年3月号より)