【Vol.243】FIWA認定会員 投稿コーナー

私の保有銘柄紹介(株主優待関係編)

寄稿:FIWA®協認定正会員 中野 靖之
てらこややすべえ株式会社代表取締役 金融教育家

*FIWAは金融商品の販売を行わないアドバイザーに与えられる称号です

中野靖之

自己紹介

京都大学工学部卒業後、証券会社にて金融商品のトレーダー業務に20年近く従事。その中で、日本の資本市場の発展のためには金融リテラシーを向上させることが必要不可欠であると気づき、2018年より金融教育家として事業をスタート。硬い内容を柔らかく説明する、楽しく分かりやすい研修・セミナーを制作、実行している。京都大学経営管理大学院研究員、1級FP技能士、日本証券アナリスト協会検定会員、MBA。FIWA認定正会員。


私の保有銘柄紹介(株主優待関係編)

私は株主優待というものがひどく好きである。世の経済学者や、賢いファイナンシャルプランナーの方々は、株主優待は公平ではないから廃止すべきとか、資産運用にそういった邪な考えは必要ないとか、いろいろ言うのだけれど、我、関せず。株主優待を愛している。

私は2020年の3月、京都大学の経営学修士の学位を授与されたのだが、修了時に書いた論文は株主優待に関するものであった。「クオカード・ギフトカード」、「カタログギフト」、「自社店舗など特定の店舗で使える金券」、「自社製品などの物品」の4種類に株主優待を分類し、それぞれ、個人投資家の銘柄嗜好の関係性がどうなっているのかを分析した。それくらい株主優待を愛している。

今回は、株主優待を愛している私がどのような銘柄を保有しているのかを紹介したい。当然ながら、ここに挙げている銘柄群は推奨しているものではなく、投資は自己責任で行うべきであることは言うまでもない。そして、この文章を読まれた時点で私が保有しているかどうかも不明である。しかしながら、株主優待に少しばかりの魅力があるということは主張したい。

それでは、銘柄コード順に紹介していこう。以降の記述に際しては、私の経験や感想を書いており、今後も同様の株主優待がいただけるとは限らないし、突然廃止されてしまう可能性もある。あしからず。

まずはブルボン(2208)。いつも見かけるルマンドよりも上等なルマンドが貰える。新製品なのか、普段見かけないものもいただけるが、ヒットするかどうかを考えながら食べてみるのも一興。お菓子のメーカーでは、岩塚製菓(2221)も挙げられる。こちらは応援したいという気持ちで。

サッポロHD(2501)、キリンHD(2503)。 最近の私は日本酒ばかり飲んでいるが、12月末日が権利確定日である両銘柄の株主優待は4、5月あたりに到着し、喉を潤してくれる。他にビール関連の優待で思いつくのは、ハブ(3030)。こちらは店舗でビールを楽しむことができる。

伊藤園第1種優先株式(25935)。 普段、ペットボトルのお茶を買わない私だが、夏の暑い時期には欲しくなる。季節感を感じる株主優待に感謝。伊藤園については、普通株式(2593)と優先株式(25935)の株価の連動を見る学びにおいても、実際に保有しているとより興味深く感じられる。

カゴメ(2811)は、株主優待を学ぶ者にとって非常に重要な銘柄となっている。というのも、同社が「ファン株主のみなさまへ」と言うように、株主優待をコミュニケーションツールとして積極的に活用し、成功しているからである。最近では個人向けデジタル社債を発行する中で、優待品を付けるといった試みも行われている。

ヒューリック(3003)は、近年、将棋界に対して貢献をしてくださっている。私の棋力は、アマ初段でとても強いと言えたものではないが、将棋好きであり、将棋界の発展に尽力してくれるこの銘柄を気に入っている。3年以上保有すると3000円相当のグルメカタログギフトから好きな商品2点を送っていただける。

ドトール・日レスHD(3087)。すかいらーくHD(3197)、コメダHD(3543)、ダスキン(4665、ミスタードーナツで使用可能)、サイゼリヤ(7581)など、街のコーヒーショップ、ファミレスで使用できる金券がいただける銘柄群。株主目線を持ちながらも、感謝の気持ちで。

クラレ(3405)は、積水ハウス(1928)とも共通するが、最低単元では株主優待はいただけないが、配当は比較的高い銘柄群。気持ちがこもった「三方よし」的な思いが背景にある気がする。株主優待の内容は、クラレはカタログギフト、積水ハウスはお米。

プロネクサス(7893)、菱電商事(8084)、稲畑産業(8098)、日本取引所グループ(8697)あたりは、クオカードがいただける銘柄群。先に紹介した論文の分析によれば、4種類の分類の中では、「クオカード・ギフトカード」の株主優待が個人投資家を最も惹きつけていると考えられており、言い換えれば、企業が個人投資家の比率を高めたい際には、「クオカード・ギフトカード」の株主優待を行うことが効果的な戦略であるとなっている。たしかに、これらの銘柄群に株主優待が無かったとして、保有していたかと自問自答すると4分の3は「NO」となる。

信金中央金庫(8421)。これは優先出資証券であり、議決権はないが株式に近い「協働組織金融機関の優先出資に関する法律」に基づき発行されたものとなる。全国特産品が載ったカタログギフトをいただける。オリックス(8591、株主優待は2024年3月を最後に廃止予定)、KDDI(9433)なども似たテイストの株主優待を行っており、日本の良さを再確認する良い機会になる。一方、Cominix(3173)の株主優待は「世界各国の特産品ギフト」であり、これはこれで知見が広がる気がして良い。

ブックオフグループHD(9278)。同社のホームページには、『ブックオフでモノを売ったり、買ったりする行動そのものがモノの寿命を延ばし、捨てるモノを減らすという社会貢献につながっています。これはSDGs 12の目標「つくる責任 つかう責任」を達成させることにおいて、非常に重要な役割となります』と書いてある。ケイト・ラワースの主張する「ドーナツ経済」といった考え方を実際の店舗を見て体得することも出来るわけで、非常に意義深いビジネスをやってくださっていると感嘆する。

吉野家HD(9861)、日本KFCHD(9873)、やまや(9994)。株主優待の銘柄に触手を伸ばす際には、ファンダメンタルズを確認するといった通常の行いに加えて、「自分がその株主優待をいただいて嬉しいのか?」という問いかけが必要になるだろう。牛丼、フライドチキン、お酒が好きな私である。

以上となります。駄文をお読みくださいまして、ありがとうございました。

※普段、このようなことは書かないし、話さないのだが、FIWA®、FIWA®インベストライフ誌の隆盛を願って、少し変化球を投げるようなテイストで投稿をいたしました。

※本日、言及させていただいた銘柄群は私の本来の株式保有ポリシーからは少し離れています。言い換えれば、コア・サテライト運用での「サテライト」の部分ですので、その旨、ご理解いただけましたら有難いです。

※普段の私は、金融教育家として、老若男女問わず、私の持っている知識や知恵を駆使し、楽しく分かりやすく、お伝えし、共有することを行っています。皆さまのお金や金融に関するご不安や悩みが解決することを常に目指しています。

※私の情報公開としては、テレビ東京系列で放送されている「モーサテ」の感想をTwitter、Facebookにてつぶやくといったものがございます。「terakoyayasube」で探していただくと見つかりますので、一度覗いていただけたら幸甚です。