【Vol.276】FIWAサムライズ勉強会より 

高橋 忠寛 氏

Takahashi
高橋 忠寛 氏
  • 日本ファイナンシャル・プランナーズ協会会員 (CFP®認定者)
  • 日本証券アナリスト協会検定会 (CMA)
  • 宅地建物取引士行
  • 政書士
  • 住宅ローンアドバイザー
  • 第一種証券外務員

1980年東京生まれ。2004年上智大学経済学部卒業後、東京三菱銀行(現在の三菱UFJ銀行)に入社。法人営業拠点にて、事業性資金融資業務やデリバティブ商品の販売に携わる。
その後、個人富裕層を対象とする不動産関連融資や相続ビジネスを経験し、更に本格的なリテールビジネスに取り組む為、2007年10月シティバンク銀行に転職。
個人富裕層に対するコンサルティング業務に従事し、証券仲介や保険商品、住宅ローン・不動産投資ローンなど、幅広い個人向け金融商品を販売。高い営業実績を残し、社内全営業スタッフの上位約20名が任命されるリレーションシップマネージャーとして活動。顧客向けセミナーでは講師も務め、資産運用の基礎について解説。
2014年9月、株式会社リンクマネーコンサルティングを設立し独立。

不安なく取り組むための資産運用プロセス 

できるだけ不安なく、自信を持って安心して資産運用を続けて行くためには、事前に確認した方がいいことをお話します。

まずは、どういう投資をしていきたいのか、個人個人が整理をして理解しておくことが大事です。投資と投機の違い、短期的な売買によって安い時に買って高くなったら売るということも一つの投資の方法ではあります。否定するものではありません。しかし多くの方は、長期的に将来必要になる時のために時間をかけて運用していく長期投資に取り組んだほうがいいと思います。ある程度リスクがコントロールできたり、長期的に右肩上がりになっていく可能性の高いやり方でやっていくという理解を深めることも大事でしょう。

コアサテライト戦略やコアサテライト運用ということが言われます。資産運用というと、金融機関はコアとなるようなパッシブ運用による分散投資の商品を勧めていないところが現状多いのです。金融機関もある程度、ビジネスとして収益性が期待できるものを売っていきたいため、テーマ型のファンドや、アクティブファンドを勧めることが多くなるのでしょう。しかし、ベースとなるコアをまずはしっかり作っていく。運用について興味や関心があれば、プラスアルファでサテライト部分を作る。

ただ、コアのところがないと話にならないので、まずはコアをしっかり作っていくことが大事です。もちろん人によっては個別株でポートフォリオを組んでコアに近いような運用ができるというケースもあります。誰もがコアパッシブ運用のインデックスファンドでなければいけないわけではありません。しかし、長期的に右肩上がりになる可能性の高い、あまり手を掛けずに運用に取り組める資産というものを中核に持っておくことが大事です。

また、「コアとサテライト比率はどのくらいがいいんですか?」という話もありますが、私はコアが8割、9割で、場合によっては100%コアでもいいのかなと思います。また、運用する資産の規模、金額によってもある程度、資金 的に余裕があればサテライトの方がもっと比率が高くなっても問題ないのかなと思います。

リスクをコントロールする方法として、長期、分散、積立ももちろん大事ですが、リスク資産の金額を調整していくことが大事でしょう。

金融機関の窓口で、「リスクを抑えて安定的な運用がしたい」というと、「国内の債券、円の債券をある程度比率を高 めて全体の値動きを抑えましょう!」というような提案になりがちです。なぜなら取引金額を少なくするよりも、まとまったすぐ使わない資金全部を安定的な運用に回してもらった方が、資金を預かる金融機関や商品を販売する立 場からするとありがたいためです。しかし不安であれば、まずは少額でいいから始めることが大事です。投資金額を調整することでリスクを抑えることがいいでしょう。

退職金や、相続で受け取った。不動産を売却した等、手元にまとまった資金があったときは、「どのくらい時間かけて投資していきますか?」という場合。例えば退職金を60歳で受け取って、それを時間分散だと言って、10年、15年かけて積立をしても、それを「使う時期、運用できる期間がどこまで?」ということがあります。あまり時間分散を意識しても運用していない期間が長くなってしまうと、トータルのリターンが下がってしまう。一概に長く時間分散をすればいいというわけではないと思います。私の場合は、お客様のキャッシュフロー、年間の収支が、どのくらいプラスなのか、マイナスなのか。大きな金融ショックがあった時には5年とか10年単位で元に戻らないということがあり得るので、やはり年間の収支がマイナスで資産を取り崩していく世代になると、ある程度リスクを抑えていく。あるいは手元資金を大きく残すポートフォリオを作っていく。具体的にいうと4年、5年かけて作っていく。どうしても運用の効率は悪くなりますが、手元資金を確保しておくということが重要なケースもあるのかなと思っております。

「資産運用の王道」と言われているしっかり分散してコストの安い組み合わせで時間をかけて運用していけば、大 きな失敗というのは避けられると思います。ただ、そのためにはまとまった資金があっても全体の資金の1割だけ運用して、9割は不安だからと運用しない場合、個人資産全体の中で1割の部分がいくら年率のリターンが6%、7%であったとしても、9割部分が預金でほとんどリターンを生んでいなかったら、全体の資産に対する利回りは1%にも満たなくなってしまいます。そういう意味では、まず自分の資産の全体像を把握して、どこまで投資に回せるのかというところ。今後いつ、いくらぐらいの資金が必要になるのかを把握した上で、適した金額、適したやり方を見つけていくことがいいのかなと思います。

講演では、プロのアドバイザーがどういうプロセスでお客さまの相談に乗り、資産運用のサポートをしているのか具体的にわかりやすく解説いただきました。