【Vol.231】知って得する、ちょっと差がつく トリビア・コーナー

トリビア研究家 末崎 孝幸

末崎 孝幸氏

1945年生まれ。1968年一橋大学商学部卒業、同年日興證券入社。調査部門、資産運用部門などを経て、日興アセットマネジメント執行役員(調査本部長)を務める。2004年に退職。Facebook上での氏のトリビア投稿は好評を博している。

エベレストの標高は?

ジョージ・エベレスト

世界で一番高い山といえばエベレスト。ネパールではサガルマータ、中国のチベット地区ではチョモランマと呼ばれている。

このエベレストだが、多くはその標高を8848mとしている。これは、1954年にインド測量局が三角測量で出した数値で、これが公式標高として定着している。

しかし、1999年に全米地理学協会がGPSで測定したところ、実は8850mだということが判明。さらに、2005年には、30年前に8848mと測定した中国が、山頂にある雪氷の厚さを差し引いた8844mだと発表した(厳密には地殻変動などの影響によって標高は年々変動していると考えられている)。

このように、エベレストの標高は、測量のたびに変わっている。ちなみに、エベレストという名前は、前述のインド測量局で長官を務めたジョージ・エベレスト(ウェールズ生まれ、1866年76歳没)にちなんで命名された。

・写真はジョージ・エベレスト(Wikipediaより)

上毛高原駅(仮称のまま40年)

 上越新幹線(東京駅―新潟駅)は1982年11月に開通して今年で40年になるが、上毛高原駅(群馬県みなかみ町月夜野)は仮称のままだ。一昨年12月に「今でもどこにあるのか分かりにくい」と駅名変更を求める動きがあった。

新しい駅名の候補として「みなかみ」と県北部の中心都市「沼田」や知名度の高い「尾瀬」などを組み合わせた駅名が検討された。ただ、駅があるみなかみ町と周辺自治体では温度差があり、新駅名を絞り込むのは容易ではなく、JR東日本への同意取り付けや、駅名変更に伴う費用負担をどうするのかなど課題が多く、正式駅名になるのにはまだまだ時間がかかりそうだ。

個人的には「上毛高原駅」を「みなかみ駅」に、現在の「水上駅」(JR上越線)を「水上温泉駅」に変更するのが分かりやすいと思うのだが・・・

小便小僧だけでなく、小便大人もある

小便小僧といえば、世界各地にあるがベルギーの首都ブリュッセルにある像(1619年彫刻家ジェローム・デュケノワが製作)がとくに有名である。ただ同様のものは世界各地に存在している(日本にもある)。ところが、小便大人なる像もある。

小便大人があるのはチェコの首都プラハで、大人2人が向かい合って小便をしている。この小便大人には驚くべき仕掛けがあり、携帯電話で好きな文字をリクエストすると、腰が動きだし、水面にその文字を書いてくれる。この像は街中で平気で用を足すチェコの男性が多いことを見かねた芸術家が2004年に制作したものである。

・写真はプラハにある小便大人

小便小僧だけでなく、小便大人もある

小便小僧

小便小僧といえば、世界各地にあるがベルギーの首都ブリュッセルにある像(1619年彫刻家ジェローム・デュケノワが製作)がとくに有名である。ただ同様のものは世界各地に存在している(日本にもある)。ところが、小便大人なる像もある。

小便大人があるのはチェコの首都プラハで、大人2人が向かい合って小便をしている。この小便大人には驚くべき仕掛けがあり、携帯電話で好きな文字をリクエストすると、腰が動きだし、水面にその文字を書いてくれる。この像は街中で平気で用を足すチェコの男性が多いことを見かねた芸術家が2004年に制作したものである。

・写真はプラハにある小便大人

中国には正式な国鳥

日本の国鳥はキジで、他の多くの国でも国鳥がある(例えば米国はハクトウワシ)。しかし、中国には国鳥が正式にはない。日本では1947年に日本鳥学会が国鳥としてキジを選定した。国の法令としての根拠はないが、キジは日本において昔から親しまれてきた鳥である。

中国の国鳥が正式に決まっていない理由には日本が関係している。2004年に中国で国鳥を決めようという動きがあり、インターネット上で人気投票を行ったところ、1位にタンチョウ(丹頂鶴)、2位にトキが選ばれた。

しかし、1位のタンチョウの学名は「Grus japonensis」で、日本のツル(鶴)という意味。さらに、2位のトキの学名は「Nipponia nippon」(ニッポニア・ニッポン)であり、こちらも名前に日本が入っている。このようにタンチョウとトキの学名に「日本」が入っていることから中国国内で議論が巻き起こり、結果的に中国の国鳥にツルもトキも採用されなかったのである。

「〇〇富士」は47都道府県すべてにあり、東京都は母島の「小富士

 富士と呼ばれる山は「郷土富士」と呼ばれ、その数は47都道府県すべてにあり、全国で300超ある。地元の人は郷土富士の名をほとんど知っていると思われるが(青森県は津軽富士=岩木山、鳥取県は伯耆冨士=大山、鹿児島県は薩摩富士=開聞岳など)、東京都の場合は知る人はあまりいないのではなかろうか。

 東京都の「〇〇富士」は小笠原諸島の母島にある「小富士」。小富士は富士の名がつく日本最南端の山であり、その標高は86mしかない。