【Vol.270】今月のひとこと

よくある質問(FAQ)
FIWA みんなのお金のアドバイザー協会® 会長 岡本和久 
サロイン塾で時々いただく質問から二つと私の答えを紹介します。
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個別銘柄への投資はしない方がよいのでしょうか。
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株式をタイミングを見て売買するのは投機的要素が非常に大きいです。株価の先行きを当てようとするのはあんまり意味がありません。それは投機です。ただ、もし個別銘柄で本当に好きな会社があれば、少しだけその会社の株式を長期に保有するのもいいと思います。退職後のための資産形成とは別枠です。株価が上がろうが、下がろうがその会社や商品が好きなのですから関係ない。
そこまで好きなら配当金を受け取った時、その会社の社長にハガキを書いてください。「ありがとうございます。私はあなたの会社の活動がとっても大好きな小さな個人投資家です。これからもぜひ、みんなのため、社会のために良い活動を続けてください」というハガキか、メールなどを出してみたらどうですか。
これは私がずっと提唱していることで実際にやっている方もいらっしゃるんですよ。返事が来ることもあります。ありがたいなと思ったのは、ある会社では社長が「全社員の前で読んで聞かせました」というお返事があったそうです。これは本当に嬉しいことです。社員もモチベーション上がります。そして世の中のためにもっと良いことをしていこうっていう気持ちになってくる。
でも中にはハガキが苦情処理係に回されちゃったっていうケースもあったそうです。いろいろです。それもまたね、本当にいい経験になるので、ぜひ個別銘柄に投資するなら株価を追っかけるのではなく、そこまでやってみたら面白いと思います。
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これから株式市場がどうなるのか気になります。株価の先行きをどう考えていますか?
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環境がどんどん変わっていきますから正直なところ、短期的な株価の先行きはわからないですね。今日、先行きは明るいと言っても、明日は変わっているかもしれない。それを予測するのは意味がないと思います。これは証券人生54年の結論です。
大事なことは、自分は何のために投資をしているのかという、そこをしっかり押さえておくことです。今から何十年か先の退職後の生活が少しでも安泰になるために長期の資産形成をしているのであれば、今年の年末の日経平均がいくらになろうとそんなことは関係ないわけです。ただ買って持ち続けていればいい。
重要なことは、きちんと理解して十分に分散されたポートフォリオを長期で持っていれば価値は増加するということです。つまり、株式は増「価」証券だという、そのことはよく理解していただきたいと思います。
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お話を聞いてやっと積み立て投資を始めましたが、トランプ大統領就任後、SP500が大幅下落したりして、初心者には今は怖い状況にあります。このまま下がっているときもやめずに投資を続けた方がいいのでしょうか。また日本株を少額で効果的に買うタイミングなどを簡単にご指導いただければありがたいです。
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どなたも感じる大変いい質問です。とにかく「つみたてNISA」を始められたということはとても素晴らしいことです。でも始めるよりも続けることの方がずっと難しいのです。そして続けなければ効果は出ません。それだけははっきりしています。S&Pや日経平均が上がったり下がったり、それは当然起こるわけです。値下がりしているときは心が騒ぐかもしれませんが、そんなとき、安くたくさんの口数を買えているんだなと思っていればいいわけです。これが積み立て投資の強みです。
ピーター・リンチという有名なファンドマネージャーは「株価が半値になったぐらいでやめるんだったら、最初から株式投資なんかやらない方がいい」と言ってるそうです。
また、私も大変お世話になった名古屋の故竹田和平さんも「下がってよし、上がってよしの株価かな」という教えを残されています。下がったときは「ああ、たくさんの口数が買えてうれしい、上がったときは資産が増えてうれしい、いずれにしてもうれしい」という教えだと思います。その通りですね。
日本株を少額で効果的に買う方法をというご質問ですが、それは「積み立て」を行うということに尽きます。相場の動きは予測できません。だから恣意的な判断はやめてひたすら定時・定額で積み立てる。それが一番手間もかからず判断もいらない、そして結果としてコストの安いカタマリを作れる方法です。
とにかく上がるか下がるか、これからどうなるんだ、それを悩んでも仕方ない。十分に分散された株式のカタマリ、これをポートフォリオと言いますが、その価値が全体でみれば増加する。株式は増「価」証券ですから。その一点を心に刻んで積立てを続けることです。
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