【Vol.268】今月のひとこと

資産運用立国に思うこと
FIWA みんなのお金のアドバイザー協会® 会長 岡本和久 
最近、資産運用立国という言葉を良く聞きます。金融庁のホーム・ぺージにはこのような図が表示されています。
大きなスキームという意味では、私は異論はありません。ただ、ちょっと違和感を持つのは ①資産所得倍増プラン、②コーポレートガバナンス改革の実質化に向けたアクション・プログラム、③資産運用業・アセット・オーナーシップ改革の流れの順序です。資産所得倍増が最初に来ているからかどうか、わかりませんが資産運用立国という言葉だけを聞くと、何か「国民、みんなが株式や投信を買って豊かになりましょう」というようなイメージを与えるような気がするのです。
私はこの図の示す流れはむしろ逆ではないかと思うのです。資産運用立国の本来の流れは生活者が株主になり、企業を支え、企業が活力を取り戻し、経済活動が活発になる、その結果、投資収益が向上し、みんながその恩恵を受ける。それが本来の資産運用立国ではないかと思うのです。
その際、生活者が自らのライフプランと整合性のある正しい投資判断を行う。そのライフプランを策定する際に「人生の伴走者」となるのがアドバイザーの仕事です。そして投資対象の売買を執行するのが販売会社(銀行・証券)です。
生活者の想いが証券市場に反映される。その結果、上場企業の株価が上昇し、さらに資金調達も有利にできる。こうして経済全体が活性化することで生活者の投資資金も増加する。これが本来の資産所得倍増プランのあるべきプロセスではないかと思います。
ただ資産所得を倍増することを目的として投資対象である企業の活力、日本の経済力が向上しなければ結局、「倍増」は絵に描いたいた餅になってしまうかも知れません。現在、退職後の資産運用の大きな部分が海外への投資に向かっていると聞きますが、それが日本の企業に対する失望感によるものかも知れません。まず、日本企業が強く、魅力的になれば資金は自ずと国内企業に向かい、そこに制度面でのサポートがあれば資産所得倍増も自然に達成されるだろうと思います。日まで枯渇しないようにするということです。そして最も重要なのがお金に過度に依存しない幸福感を味わえる生活スタイルを確立しておくことです。
FIWA主催のセミナー情報
下記のサイトをご覧ください。
FIWA presents 「FIWAみんなのお金チャンネル(YouTube)」配信中
岡本和久のDIY資産運用講座など過去、現在の動画をご覧いただけます。
https://www.youtube.com/@fiwa8445
FIWA presents「マネーマネーマネーfor you」開催中
金融商品の販売にかかわらない独立系アドバイザーが集まっていNPO法人みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)で、新しくポッドキャスト配信を始めました。ポッドキャストとは、後からいつでも聞くことができるラジオのようなものです。今後はFIWA会員のゲストトークも予定しています。
パーソナリティは小屋と、キャサリンとナンシーの3人が務めています。お金に関するさまざまな気になることを楽しく語っています。40代の子育て中の3人が幅広くFIWAのことを知ってもらうために、頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。
ファイナンシャル・ヒーラーの雑談トーク
岡本和久が原則毎月曜日にSpotify Podcastで雑談をします。