【Vol.258】今月のひとこと
岡本 和久 CFA FIWA®
産業のライフサイクルと万博
<万博>
大阪万博が2025年4月に開催されます。いよいよ1年を切ってきました。私にとって、万博は数々の思い出のあるイベントです。1965年、私はまだ18歳でしたが、ニューヨークに行った時、当時ニューヨークで世界博覧会(World’s Fair) が行われていました。目を見張るような素晴らしいものがたくさん並んでいてとても感激したのですが、私がびっくりしたのが、生まれて初めて食べたピザというものの美味しさでした。
ちょうど日本で大学を卒業した1971年に大阪で万博が開催されました。月の石が展示されているというので、友達と卒業旅行も兼ねて東京から車で大阪まで行ったのを思い出します。就職をして長いニューヨーク生活を終え、日本に帰ってきた頃、開催されたのが筑波科学万博でした。まだ小さかった子供を連れて最新のトマトの水耕栽培などとても面白かったです。小さかったおもちゃのロボットを娘が気に入り買ったことを覚えています。今でもそのロボットのおもちゃは家にあります。
<パリ万博>
日本が初めて世界の万博に参加したのが、1867年、パリで開催されたパリ万博でした。この時は世界中のいろいろな新しい技術や商品が展示されていました。エジソンが発明した蓄音機、ベンツが発明した自動車、アレクサンダー・グラハム・ベルが発明した電話機、エジソンが発明した白熱電球(それまではガス灯)。さらに、ミシン、冷蔵庫、タイプライター、人工関節、鉄鋼づくりの建物、そのようなものがたくさん展示されて、さぞや江戸時代の日本から行った人たちも驚いたことと思います。日本からは、漆器、陶磁器、絹織物、米、お茶、醤油、日本庭園などが展示されたとの記録があります。
<自動車>
日本が初めて世界の万博に参加したのが、1867年、パリで開催されたパリ万博でした。この時は世界中のいろいろな新しい技術や商品が展示されていました。エジソンが発明した蓄音機、初期の蒸気自動車、ベングラハムが発明した電話機、エジソンが発明した白熱電球(それまではガス灯)。さらに、ミシン、冷蔵庫、タイプライター、人工関節、鉄鋼づくりの建物、そのようなものがたくさん展示されて、さぞや江戸時代の日本から行った人たちも驚いたことと思います。日本からは、漆器、陶磁器、絹織物、米、お茶、醤油、日本庭園などが展示されたとの記録があります。
特に注目されたのが自動車でした。自動車の歴史は1769年、蒸気自動車が発明されています。ほぼ万博の10年後の1876年、ガソリンエンジン搭載の自動車がカール・ベンツ、やゴットリープ・ダイムラーによって開発されます。つまり、パリ万博で展示されたのは蒸気自動車だったのです。1908年にアメリカでT型フォードが生産され始め、急速に自動車が一般庶民の間に広まるようになりました。日本で初めてのガソリン車ができたのが1907年ですから、そんなに遅れて日本に来たというわけではなかったわけです。1930年にはダットサン商会という自動車メーカーが日本で設立されています。1900年代はアメリカのビッグスリー、GM、フォード、クライスラーの繁栄の時代です。しかし、オイルショックが起こり、原油価格が上がる。国際競争が厳しくなる。そして21世紀に入ると、GMとクライスラーなどが実質国家管理になってしまいます。1970年から80年にかけてクライスラー、フォード、GMなど、みな経営難に陥ります。
一説では、1900年、自動車がまだ黎明期にあった頃にアメリカでは2000社の自動車メーカーがあったと言われています。1920年にはそれが寡占化され、そして最終的にビッグスリーに絞られたのです。そして、それらも海外勢にやられてアメリカのメーカーは衰退していったという事実があります。
今、EVが非常に注目されています。これも古い歴史があります。1828年にジェドリックという人がガソリンよりも早く電気自動車を発明しています。1900年くらいにはアメリカの自動車の4割ぐらいが電気自動車だったと言われています。ただ、1900年代に入ってガソリン車の高速化でガソリン車のシェアがどんどん高まり、そしてクライスラー、フォード、GMのビッグ・スリーの時代がやってきたという事になるわけです。このように自動車の歴史を見ても、やはりライフサイクルというのは何重にも重なっているんだな、という事を感じます。
<新技術のライフサイクル>
揺籃期、成長期、成熟期、そして衰退期、この4つのライフサイクルがいくつも重なって業界の変化を発生している。そこに新しい技術による新しい商品がまた開発されて、新しいサイクルが前のサイクルにかぶさる。今回は自動車産業について触れましたが、パリ万博で人々を驚かせた数々の商品でも同じことが起こったことでしょう。
今アメリカの株式市場でもマグニフィセント・セブンなどと言われて、Apple、Microsoft、Alphabet、Amazon、Meta、Tesla、NVIDIAなどが大きな注目を浴び、人気になっています。おそらく、これらのメーカーも製品も、今、揺籃期にあるのでしょう。これらの企業は、これから成長期、成熟期を迎え、最後は衰退期に入っていくことになるでしょう。新技術を持つ多数の企業が絞り込まれて本当に生き残るのは数社になるのかもしれません。
そうやってみると、非常に割高になっているこれらの銘柄を今の成長が永久に続くと考えるのは難しいのではないかと思います。我々のなかなか想像できない技術革新が行われ、当然のことながら、揺籃期から成長期に入っていく。そして成熟期に入り、衰退期に入る。これは必定です。そういうことを常に頭に置きながら、やはり技術をベースにした銘柄の選択というのは考えていくべきだと思います。(岡本和久筆)
6月30日のFIWA特別イベントが近づいています。リアル、オンラインのハイブリッド開催です。お申込みはお早めに!
(岡本和久筆)
FIWA®からのお知らせ
第74回 FIWA®サムライズ勉強会
開催地: 東京
担当: 岩城 みずほ
開催日時: 6月21日(金) 19:00~20:45
会場: 教室とZoomによるハイブリット開催
講演: 「DC法改正に伴う継続投資教育〜企業現場の実際と今後の課題、将来像〜」
講師: CFP、中国新聞社 企業型DC運営、継続投資教育講師 益田 眞一(ますだ しんいち)氏
備考: 主催 NPO法人みんなのお金のアドバイザー協会
お申込先: https://somerise.net/2024/03/17/1936/
FIWA®特別イベント「NISAで踏み出そう長期積立投資 手に入れよう経済的自立」
開催地形式: ハイブリッド開催
【会場】100名 【オンライン】100名
担当: 岩城 みずほ
開催日: 2024年6月30日(日) 13:30(開場13:15)~17:30
会場: FinGATE KAYABA
東京都中央区日本橋茅場町1 8 1 茅場町平和ビル1 階 (Google マップ)
東西線・日比谷線「茅場町」駅 徒歩1 分
プログラム
第1部 動画上映
「投資ルネッサンス 2007@銀座」から17年の振り返り
さわかみホールディンス代表取締役 澤上篤人氏×FIWA®代表理事会⻑ 岡本和久
個人投資家宣言をした投資家たちのエピソード
第2部 パネルディスカッション 「資産運用立国への歩みが始まった」
コーディネーター: FIWA®理事長 岩城みずほ
登壇者: 金融庁総合政策局 総合政策課 金融税制調整官 今井利友氏、なかのアセットマネジメント 代表取締役社長 中野晴啓氏、FIWA®代表理事会⻑ 岡本和久
第3部
パネルディスカッション 「アドバイザーの重要性について」
コーディネーター: FIWA®代表理事会⻑ 岡本和久
登壇者: ⾦融庁 総合政策課 ⾦融経済教育推進機構設⽴準備室⻑ 桑田尚氏、FDAlco 代表取締役社長 今井豊氏、FIWA®理事長 岩城みずほ
質疑応答
懇親会
備考: 【会場】3,300 円(懇親会費含む、税込) 【オンライン】1,100円(税込)
お申込み先: https://happymoney.stores.jp/
第226回 FIWA®マンスリー・セミナー
開催形式: On Line
担当: 赤堀 薫里
開催日時: 2024年7月21日(日) 12:30~15:30
講演・講師:
①岡本 和久
「一生使える投資信託の選び方」(投信協会のファンド検索機能を使って)
②尾藤 峰男氏
「バフェットの投資哲学と人生哲学」
備考: お申込みは開催日の三週間前より以下のサイトにて承ります
https://happymoney.stores.jp
参加費: 3,300円
第227回 FIWA®マンスリー・セミナー 「ハッピー・マネー・セミナーforヤング・アダルト」
開催形式: On Line
主催担当: 岡本和久、赤堀薫里
開催日時: 2024年8月18日(日) 12:30~15:30
講演・講師:
①岡本和久
「若者よ! 投資、仕事、人生を考えよう」
②作家 板谷敏彦氏
「奴隷から総理大臣になった男、高橋是清の人生から学ぶ国家、経済と君たちの生き方」
備考: お申込みは開催日の三週間前より以下のサイトにて承ります
https://happymoney.stores.jp
FIWA presents 「FIWAみんなのお金チャンネル(YouTube)」配信中
岡本和久のDIY資産運用講座など過去、現在の動画をご覧いただけます。
https://www.youtube.com/@fiwa8445
FIWA presents「マネーマネーマネーfor you」開催中
金融商品の販売にかかわらない独立系アドバイザーが集まっていNPO法人みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)で、新しくポッドキャスト配信を始めました。ポッドキャストとは、後からいつでも聞くことができるラジオのようなものです。今後はFIWA会員のゲストトークも予定しています。
パーソナリティは小屋と、キャサリンとナンシーの3人が務めています。お金に関するさまざまな気になることを楽しく語っています。40代の子育て中の3人が幅広くFIWAのことを知ってもらうために、頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。
FIWA会長 ファイナンシャル・ヒーラーの雑談トーク
岡本和久が原則毎月曜日にSpotify Podcastで雑談をします。