【Vol.253】今月のひとこと(理事より新年のご挨拶)

今月のひとこと

新春に向けて理事よりご挨拶

Riji集合
岡本 和久(代表理事、理事長)

みなさま、新年おめでとうございます。

元旦早々、能登半島地震が発生してしまい、北陸地方の方は多くの被害を受けたことと思います。みなさんが大きな被害を受けなかったこと、そして、一日も早い復興を願っています。

私が子供の頃、年齢の数え方に二通りありました。例えば「3歳です」と言うと、それは「『満』ですか、『数え』ですか?」などと聞かれたものです。満年齢というのは今の年齢の数え方と同じです。数え年齢というのは、生まれた時が1歳、お正月の度に全員が一歳ずつ年をとっていくというものです。昔からの年齢の数え方で、明治時代に「新暦」が導入されてからも一般に使われていました。戦後、1950年に「年齢計算に関する法律」が制定されてから満年齢に統一されたのです。

私は1946年12月14日に生まれたので生まれた時は、当然、生まれた時、数え年齢では1歳でした。そして翌年1947年1月1日、つまり生まれてから約半月で2歳になったわけです。この考え方はとても興味深いと思います。つまり、母親の中で命が誕生した時が0歳、そして約十月十日、約1年たってこの世に生まれてきた時が1歳、という考え方なのだと聞いたことがあります。

母の胎内で私が命を授かるのは、当然、父と母がいるからです。そして父と母も、それぞれの両親から命を与えられているのです。そしてその親たちも、何十代、何百代、何千代、何万代と遡ることができ、さらに人類の誕生、その前の生物の誕生、また地球の誕生にまで遡って生命をずっと受け継いでいる。そして、その生命体の流れが体験してきたことは何万年も、何億年も経つうちに日常的な意識の中ではどんどん薄くなっているのですが、その記憶は我々の生命の中にかすかに残っている。

稲森和夫さんが宇宙のどこかに「知恵の蔵」があるとおっしゃっていました。そのことについては昨年の私の動画(https://youtu.be/xpYSqrlXt_o?si=ZkFtEgD60_QSSVY3)でもご紹介をしました。「知恵の蔵」、それは我々の潜在意識の中にあるのでしょう。そして我々は、知らず知らずのうちにその潜在意識に支配されて行動しているのだと思います。

ただ、人類は、普通、今の自分という狭い意識を中心に物事を考えてしまう。最近は特にその傾向が強まっているようです。この長い歴史と命の広がりをあまり意識していない。個人のレベル、組織のレベル、国のレベルで意識の時間軸と空間軸が「自己中心的短視主義」に圧倒的に支配されていることが、各地で紛争や戦争やいろいろな犯罪が起こる原因なのかもしれません。

それに多くの人が気づいていくことが、平和への非常に大きな道ではないかと思います。私は常々、「新三方良し」ということで、「いのちよし、未来よし、地球よし」と言っています。人間も、動物も、すべての生きとし生けるものの命を大切にすること、そして今だけではなくて、未来にわたってそれが永続すること、また、地球という我々を存在させてくれている場所、我々の進化を見続けている「存在」を大切にする。それが「新三方良し」です。

世の中ではいろいろな紛争や戦争、そして災害や犯罪などが起こっています。それが多くの人々に深刻な被害を与えています。今年は多くの人に我々の「存在」というものの本質に気づいてもらえればと考えています。「数え年齢」という中に昔から伝わる意識、長い、長い「命のリレー」という考えがあるのかなと思います。非常に興味深く大切な要素が含まれているのではないかと思い、年頭にあたって紹介させていただきました。

最後になりますが本誌制作中にこれまで色々な形でFIWAの活動を支援してくださってきた大江英樹さんと山崎元さんが逝去されました。闘病中であることは知っていましたがそれにしてもこんなに早く、急に亡くなられるとは・・・、言葉がありません。お二人とも私よりずっとお若い。お二人の存在が個人投資家のためにいかに大きなものだったのか、改めて痛感します。戦友を失ったような気持です。これからはお二人の遺志を継いで私共個人として、そして、FIWAとして活動をしていく決意を固めたいと思います。それがお二人のこれまでの貢献に対するご恩返しだと思います。ご冥福を祈ります。

※セミナー案内はこの記事の最後をご覧ください。

岩城 みずほ (代表理事、副理事長)

みなさま、昨年は本当にありがとうございました。新年のご挨拶を申し上げます。

震災や事故、親しい方々のご逝去などが相次ぎ、悲しみの中で迎えた2024年でした。恐らくこれからも、私たちは悲しさや寂しさを抱えながら生きていくことになるのでしょう。限られた時間の中でどう生きるのか、歳を重ねるごとに厳しく問われている気がします。昨年読んだ小説の中に、レゾンデートル(フランス語の哲学用語で「存在意義」)をテーマにしたものがありました。それが伏線となっていたのか、残酷な現実を前に、図らずも、帰省先で自らを省みる時間を過ごしました。

FIWA®には、「生活者が経済的束縛から解放され豊かで幸せな人生を実現できるための支援活動を行う」という理念があります。「生活者のためのライフプラン、金銭、投資、資産運用等に関するアドバイスが完全に利益相反のない形で行われ、当協会の理念に基づき行動するお金のアドバイザーを育成、認定、支援する」ことをミッションとして掲げています。FIWA®のレゾンデートルです。

FIWA®の活動は、いわゆる「自己実現」とは違うベクトルのものです。FIWA®の活動に参加しても直ちに収入が増えたりはしません。しかし、必ず実現したい社会を作るために、私たちは多くの時間、労力等を費やしています。FIWA®に関わってくださっている仲間、たくさんの皆さまも同じ気持ちでご協力、支援してくださっています。みなさまおひとりお一人が、かけがえのない人生の中のテーマの一つとして心を寄せてくださることで、前に進めます。

2024年は、資産運用立国に向かって本格稼働します。私たちはこれまで通り、FIWA®の活動に真摯に取り組んでまいります。みなさま、今年も引き続きどうぞよろしくお願い申し上げます。

石津 史子(理事)

明けましておめでとうございます。新NISA元年、幕が開きました。

「本当に儲かるの?元本割れするのでしょう?」「まとまったお金があるけれど、何買えばいいか教えて?」こんな会話、あちらこちらから聞こえてきますね。

だけどね、投資とは縁のなかった人が「バスに乗り遅れるな!」の勢いで乗車はしてみたけれど、その後の社会経済の変動等で心配になって手放したら、元本割れの損失を被ってしまった・・・という事例にはたくさん遭遇しています。「投資」は、勢いで乗るものではありません。

すなわち「投資」する前に、端折ってはいけないことがあるからです。それは家計管理・ライフプランを立てて行動するということです。これらなしでは、目的もゴールも不明瞭。仮に投資できても、目的やゴールといった成果は手にできないかもしれません。

社会生活を営んでいれば、金融とのかかわりを持つことは避けられません。さまざまな金融商品と出合い、それらの中から選択して適材適所で利用することになります。各々どんな特徴があるのかをしっかり吟味し、ライフプラン上の夢や希望を形にしていく行動力こそが生きていく力なのです。

すでに金融経済を理解し金融商品を自ら選択して投資助言のみを求めるレベルの方もおられますし、その前に投資を根付かせるための家計管理やライフプラン作りから始めた方がいい方もたくさんおられるように思います。

一人でも多くの生活者が経済的束縛から解放されて、豊かで幸せな人生を実現できるよう、今年もFIWA®の仲間とともに精進してまいります。

中野 晴啓(理事)

あけましておめでとうございます。いよいよ新年から新NISAが始まりました。米英の成功事例に倣って、日本でも長期資産形成を普遍的行動規範として定着させるため、非課税制度が本格的なスケールで拡大整備されて、長期投資を国民文化とすることが重要な国家戦略として明示化されたと言えましょう。

 新NISAはこれまで資産運用に馴染みがなかった多数の一般生活者に「長期・積立・分散」投資へと誘導喚起する目的で設計されており、その行動手段としての主軸は、米欧と同じく投資信託の活用となります。そして当然のこととして、政策主旨に則って制度に参加する国民生活者に将来、相応な運用果実を等しく享受してもらうためには、けれんみなく合理的な長期運用を実践する投資信託が多数ラインナップされていることが前提条件で、そこへの役割を担う資産運用業界が国民益の最大化に向けて虚心坦懐に使命を果たす。即ち資産運用業の高度化は待ったなしであり、それ故、岸田内閣は資産運用改革を当該業界に強く迫っているわけです。

とはいえ、これまで6千本超の国内公募投信を粗製乱造し、大量に販売することが専ら目的化されてきた投資信託業界が、新NISA開始と共に一斉に真っ当な長期投資ファンドの提供に邁進するはずもなく、短期目線のテーマ型ファンドやNISA登録とは埒外の毎月分配型ファンドが引き続き精力的に販売されています。またインデックスファンドが低コストで流通するようになって、新NISAのとりわけ積み立て投資枠では、超低コストの全世界株式や米S&P500などの海外インデックスに連動するタイプに参加資金が集中的に流入するようですが、制度目的にかんがみた投資行動への理解が欠落したままでは、投資信託の長期保有が一般化するまでの道のりは遠いままでしょう。

そこでこの期に大きくクローズアップされるのが、生活者投資家のためのアドバイザーの役割です。新NISAと確定拠出年金の両非課税投資制度の適切な普及に向けて、政府・金融行政は運用提供側からの誠実で的確な長期運用の供給意識の醸成を促すと同時に、各人の目的に沿った運用商品選択と、目的成就に必要とされる投資行動に導く「顧客本位」のアドバイス機能の社会的強化に向けて、昨秋の通常国会で関連法案を大きく改正したのです。

欧米では実質的にルール化が進む、顧客との利益相反を排したアドバイザーの存在意義が、これから劇的に高まることは必然で、そこに周回遅れの我が国の構造転換に向けて、FIWA®の主張は世論を動かすことになるはずです。

私自身は「なかのアセットマネジメント」を新たに創業して、運用サイドから顧客本位の資産運用を徹底して体現して行く所存です。そしてFIWA®と共に、生活者主導の健全な金融立国化実現に向け邁進してまいります。今年もどうぞ宜しくお願いいたします。

高橋 忠寛(理事)

新年おめでとうございます。

今年は金融経済教育推進機構が設立され、顧客の立場に立ったアドバイザーの認定制度が始まる予定です。一般生活者の有料相談に対する意識も変化する可能性が高く、アドバイザーにとっては転換期を迎えることになりそうです。

私自身もアドバイザーの提供できる価値を多くの人に伝えていきながら、FIWA(R)の認知度向上に取り組んでいきたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

小屋 洋一(理事)

新年あけましておめでとうございます。

2024年は金融経済教育推進機構の発足と、顧客の立場に立った認定アドバイザーのリスト化・公表と岩城理事を中心とするFIWA®の働きかけもあり、ようやく日本でもアドバイザーの認知度が向上してくる年になるのではないかと期待しております。

FIWA®では理事をはじめ会員の皆様と一緒に相互に学びあい、顧客にとって心から信頼されるようなアドバイザー集団になっていくことで、今回の認定アドバイザーの試みを国内で成功させていく一翼を担っていきたいと思います。

本年もよろしくお願いいたします。

(順不同)

特定非営利活動法人「みんなのお金のアドバイザー協会〜FIWA」

FIWA®からのお知らせ・セミナー予定

第220回 FIWA®マンスリー・セミナー

開催形式: On Line
担当: 赤堀 薫里
日時: 1月21日(日) 12:30~15:30
講演・講師: 
岡本 和久「『キャピタル』を読み解く」
ブーケ・ド・フルーレット代表 馬渕 治好氏 
「年初恒例 どうなる今年の経済・金融市場」
主催: NPO法人みんなのお金のアドバイザー協会
備考: お申込みは開催日の三週間前より以下のサイトにて承ります
https://happymoney.stores.jp/
参加費: 3,300円

第70回 FIWA®サムライズ勉強会

開催地: 東京
担当: 岩城 みずほ
日時: 1月25日(木) 19:00~20:45
会場: 教室とZoomによるハイブリット開催
講演・講師: 
金融庁企画市場局 市場課 市場企画室長 今泉 宣親氏
「資産運用立国に向けた取組み」
主催: NPO法人みんなのお金のアドバイザー協会
オンライン受講申込先: https://ssl.form-mailer.jp/fms/71888640807217
会場受講申込先: https://ssl.form-mailer.jp/fms/29256f40807218

第221回 FIWA®マンスリー・セミナー

開催形式: On Line
担当: 赤堀 薫里
日時: 2月18日(日) 12:30~15:30
講演・講師: 
岡本 和久 「名著読み解きシリーズ『テンプルトン・タッチ』を読み解く」
特定非営利活動法人テラ・ルネッサンス 創設者・理事 鬼丸 昌也氏 
「すべての生命が安心して生活できる社会(世界平和)の実現を目指して」
主催: NPO法人みんなのお金のアドバイザー協会
備考: お申込みは開催日の三週間前より以下のサイトにて承ります
https://happymoney.stores.jp/
参加費: 3,300円


FIWA presents 「FIWAみんなのお金チャンネル(YouTube)」配信中

岡本和久のDIY資産運用講座など過去、現在の動画をご覧いただけます。
https://www.youtube.com/@fiwa8445

みんなのお金チャンネル
FIWAみんなのお金チャンネル

FIWA presents「マネーマネーマネーfor you」開催中

PODCAST

金融商品の販売にかかわらない独立系アドバイザーが集まっていNPO法人みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA)で、新しくポッドキャスト配信を始めました。ポッドキャストとは、後からいつでも聞くことができるラジオのようなものです。今後はFIWA会員のゲストトークも予定しています。


パーソナリティは小屋と、キャサリンとナンシーの3人が務めています。お金に関するさまざまな気になることを楽しく語っています。40代の子育て中の3人が幅広くFIWAのことを知ってもらうために、頑張りたいと思います。よろしくお願いいたします。

FIWA プレゼンツ マネーマネーマネー for you
マネーマネーマネーfor you