【Vol.248】FIWA認定会員 投稿コーナー

お客様のよりよい未来を描くためのお手伝い

寄稿:杉山 夏子 CFP, FIWA®

*FIWAは金融商品の販売を行わないアドバイザーに与えられる称号です


プロフィール:杉山 夏子

CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、相続士®
2007年シンガポールに移住し日系コンサルティング企業で顧客サービス業務に従事。
2011年に帰国後、ファイナンシャルプランナーの資格を取得し、資産形成からご相続まで、お客様の人生に長く付き合えるファイナンシャルスタイリスト®として、相談業務から執筆、マネー講座講師として活躍中。


みなさま、こんにちは。FIWA®認定アドバイザーの杉山夏子です。金融機関などに所属しないファイナンシャルプランナーとして活動して、今年で10年になります。

ファイナンシャルプランナーになったきっかけ

Sugiyama san

わたしがFPになったきっかけは、まず、シンガポールで仕事をしていたときに感じたことです。シンガポールに進出したいビジネスオーナーの方が主なお客様でしたので、金融機関や進出支援の窓口などでの通訳や、海外と日本の税制の違いをご説明することも多かったです。また、自分も生活をしていましたので、年金や健康保険などの両国の制度の違いというのは、国の規模や成り立ちの違いでずいぶんと変わるものだと思いました。ただし、当時の自分は必要な範囲だけ知り、それで満足していたのです。

2010年から2011年にかけて、実家で祖父と父が相次いで亡くなり、実家の会社を継いで実務をやっていくのが祖母と母ではやりきれず、2011年に日本に本帰国をしました。

日本に帰ってきて、社会保険や税のことをきちんと知れるFP資格が面白いと思って改めて勉強し始めてみたら、知らないことだらけ。今の自分に必要な知識、仕事に必要な部分だけの知識だけだと将来気付いたときには手遅れになってしまうかもしれない事だらけでした。知ることがとにかく面白くて、CFP、1級ファイナンシャル・プランニング技能士まで取得するに至りました。

お金のアドバイザーの必要性

FIWA®で認定しているようなお金のアドバイザーの必要性は、金融機関の人と話して、自分なりに納得して金融商品を購入しても、期待したほど増えないことに気付いたときに感じました。シンガポールにいた頃から不思議に思っていたのですが、お金を運用しようと、金融機関とやり取りし、すごく良さそうな金融商品を購入するのですが、なぜか増えない。プラマイゼロなら良い方というケースも多く、手数料が高くてお金は減ってしまうというのもたくさん見てきました。手数料が高いと、それだけいいものに投資していると思うものです。そして自分自身も、ちょっとFPを勉強したくらいの時、金融機関でいろいろ話して良さそうだなと思った投資信託を買うと、プラスになることはほとんどないっていう状態が続いていました。

あるとき、今回FIWA®の理事に就任された中野晴啓さんなど、長期投資を標榜し、まっとうな投資信託の運用をされている方々がいらっしゃることを知りました。金融商品を売る人たちの都合に我々は巻き込まれる必要はないと痛切に感じ、以来、自分のお金で始めてみると嘘がないのです。資産を守りながら、増やすことができるのだと実感できたのは自分にとって大きな財産です。以来、お客様のよりよい未来を描くためのお手伝い、お客様が不安を感じずに心地よい状態であること、幸せになる、今日より明日が良くなると手応えを感じられることが大事だと思ってFPとして活動しています。

『つみたてインディくん』はお客様との信頼構築ツール

さて、昨年リリースされた株価指数連動定額積立投資のシミュレーション・ソフト ~FIWAつみたてインディくんについて、少し書きたいと思います。このツールはアドバイザーの強い味方です。投資初心者や運用としての保険購入を検討しているお客様にも、過去のインデックスの実績や今後のシミュレーションを提示し、異なる金融商品の比較をし、その効果を具体的に示すことができます。

投資を始めたいというお客様は多くいらっしゃいます。最近はYoutubeで事前にお勉強をされてからいらっしゃる方も多いです。「iDeCoやNISA、やったほうがいいみたいだけど」、Youtubeはいいことしか言わない。本当にやって大丈夫ですか?

そんな方には『つみたてインディくん』を使いながらご説明をします。これまで積立をしてきたらどうだったのか、お客様の積立予定金額を入力して説明できるので、自分ごととして捉えていただきやすいようです。また、資産配分を変えて、今後のシミュレーションもできるので、はじめの一歩が出ない方の背中をそっと押す。そんな効果を感じています。

運用目的で保険に入ろうと思っている方にも、インデックスのこれまでの実績や、今後のシミュレーションを示すことで、異なる金融商品の比較をしていただくことも可能になります。ご自身で運用の効果をより具体的にイメージしていただくことにつながります。保険は、保証や解約返戻金が説明されています。それに対して、投資信託は購入時点の情報しかない。過去の実績をお見せし、シミュレーションをすることで、保険の営業資料と変わらない情報提供ができるようになります。

最後に

 最近は20代から30代のお客様が大幅に増えています。彼らが一生涯、お金のことで不安に襲われることのないように、質の担保されたお客様の立場に立てるアドバイザーに相談できる世の中を目指して、これからもFIWA®の活動に期待しております。