【Vol.275】FIWAサロイン塾講演より(講演)
日本証券全史
特定非営利活動法人 みんなのお金のアドバイザー協会 代表理事 会長
ファイナンシャル・ヒーラー 兼 投資教育家
岡本 和久CFA
レポーター:赤堀 薫里
(以下は9月21日に開催された第五回サロイン塾での岡本の講演の全編(戦後編)部分を要約したものです)
ダグラス・マッカーサー将軍が日本にやってきた。そういう中で、島津大蔵大臣は、株価形成が闇相場で行われているけれど、それを阻止して公正な株価の形成を図り、経済の復興と人心の安定を資するために「株式取引所を再開して欲しい」と言います。それに対してGHQは「それはまだ早すぎる。君たちはまだやることいっぱいあるだろう。店頭取引は許さん」と答えます。ただ「相対で売りたい人と買いたい人が集まって、そこで取引をする集団取引については一応黙認しよう」ということを言いました。
その後一連のいろんな動きがありましたが、1949年には株式取引所は開始されました。しかし、株価はダラダラ下がりだします。「やはり株はダメだな」とみんな思っているところで始まったのが朝鮮戦争です。そして朝鮮特需が日本に始まります。朝鮮動乱景気で株価が上がった。1953年3月4日、スターリンが亡くなります。そして暴落する。これはスターリンが戦争推進派だったためスターリンが亡くなると戦争が終わるかもしれないということで売られたのです。戦争が終わったから株価が下がるというのも皮肉なものです。それにしても経済的には朝鮮特需は日本にとってものすごく大きなメリットでした。
終戦後11年経った時に経済白書の冒頭の文章で、『もはや戦後ではない』と書かれました。その年に東京タワーができた。家庭の中に三種の神器がどんどん拡がっていった。まさに「三丁目の夕日」の世界ですよね。朝鮮戦争で株価は上がり。スターリンショックでドカンと下がった。それを経て日本は成長期に入ります。
この頃に利回り革命が起こりました。今まで長期金利の方が必ず配当利回りより高かった。それがこのころ逆転しました。なぜ逆転したのかというと、配当利回りは、これから利益が成長すればだんだん増えていく。長期金利は一定の金利が払われるだけ。だから成長を織り込んだならば長期金利の利回りよりも配当利回りの方が高くてもいいんだ、というような議論があったわけです。
戦争が終わった翌年1946年に2つの会社が生まれます。ソニーとホンダです。これが80年代以降の日本の貿易摩擦やなんかの原因にもなり、とにかく日本の高度成長を牽引していった。終戦直後のボロボロのひどい経済情勢の時にこういう会社が生まれてきた。これはやっぱりすごいことです。1975年というのは、オイルショックでアメリカ経済がボロボロになっていた時です。その年に設立されたのがマイクロソフト、1977年に創業したのがアップルです。マイクロソフトやアップルも、やはりオイルショックでアメリカ経済がボロボロに痛めつけられた時に生まれている企業です。
ソニーやホンダなどが牽引車になって日本の高度成長が始まります。そして投資信託が大人気となり、ブームになりました。『ダウという株を買いたい』と言ってくる人が証券会社に来たという話を昔、よく聞きました。
ついに2024年の2月、日経平均は1989年末の史上最高値を遂に更新しました。39098円。34年ぶりです。もしこの1989年の最高値の時から2024年最高値を更新するところまで毎月1万円ずつ積み立て投資をしていた場合、投資額は412万円貯めたことになります。毎年この暴落局面でもずっと日経平均のインデックスファンドを買っていたとすると、2024年の高値更新の時の資産残高は1,000万円を超えています。日経平均は元に戻っただけなのに、資産は実に倍以上になっているわけです。すごいことですよね。
武田和平さんは「下がってよし、上がってよしの株価かな」とおっしゃっていました。新しいNISA、資産運用立国という話が出ています。私はこれからは、アドバイザーをいかに養成していくのかがすごく重要なポイントだと思っています。営業とは別のアドバイスをする。それを専業でする人たちが日本にもっと出てこないといけない。
1878年から今日までの兜日本株価指数から色々なことを学べます。まず、第一に欲張らない『知足の投資』こそ成功の秘訣。第二にとにかく分散する。第三に株価のギザギザで儲けるのではなくてトレンドで儲ける。第四に時間を味方につける。これは複利の効果です。そして第五に「上げてよし下がってよし」の積立投資。さらに第六に株価指数の背後にある歴史を学ぶ。
世の中は常に変化する。過去をリファレンスして今を見るといろいろなことが見えてくる。海面の波のように日々の株価の変動は大きい。でも、海底の潮流は力強く、安定した長期トレンドをもっています。歴史を学ぶことは今を学ぶことだといいます。長い歴史の表面で揺れ動く株価に目を奪われるのではなく、長期的な大きな流れをしっかり理解するためにも、特に株式市場が大幅安をするときなど。ぜひ、兜日本株価指数をじっくりと眺めてみてください。
講演の動画(戦前編と戦後編の合体動画)は以下のサイトからごらんいただけます。
(文責FIWA®)




