【Vol.254】FIWA認定会員 投稿コーナー

自著自薦 『知識ゼロから始める女性ひとり起業BOOK』

寄稿:しなやかライフ研究所 代表 小谷 晴美 CFP,FIWA®
*FIWAは金融商品の販売を行わないアドバイザーに与えられる称号です


小谷 晴美 プロフィール

kotani

しなやかライフ研究所 代表。前職では経営コンサルティング会社にて中小企業診断士として経営指導、研修等に携わる。
2006年ファイナンシャルプランナー資格を取得し、お金の身近な相談役として個人相談件数は1500件を超える。

個人事業主の妻としてサポートをした経験と、子育てをしながら仕事の幅を広げてきた経験から、女性の起業支援、個人事業主の生活設計支援を得意とする。

著書に「女性ひとり起業スタートBOOK」(コスミック出版)がある。

HP:https://www.shinayaka-life.com/


大阪でファイナンシャルプランナーをしておりますFIWA®正会員の小谷晴美です。
2冊目の著書『知識ゼロから始める女性ひとり起業BOOK』が出版されるにあたり、岡本和久先生のご厚意で機会をいただき、拙著について紹介させていただきます。

「ファイナンシャルプランナーが起業の本?」と違和感を持たれるかもしれませんので、自己紹介を兼ねて経緯から書かせていただきます。

小谷さん著書

私は20代後半から30代にかけてコンサルティング会社に勤務し、中小企業診断士として商業・サービス業の経営指導に携わった経験がございます。

結婚後はフリーの研修講師として、企業研修や専門学校等でマーケティングや財務管理についてお話をしておりました。その後、夫の独立開業を機にファイナンシャルプランナー資格を取得し、マネーセミナーの講師として活動を始めました。

セミナーの内容は家計管理や保険の見直し等いわゆる「暮らしのお金」に関するものでしたが、セミナー終了後に女性の方からよくこんな質問を受けました。

「ヨガ講師として小遣い程度の収入があるけれど、確定申告をしなくて大丈夫か?」

「コーチングの勉強をしていていずれ独立したいけれど、夫の扶養から外れるのか?」

セミナー冒頭の自己紹介で「夫の独立開業をサポートする中で、税制や社会保険のしくみ、保険や金融商品などの知識の必要性を感じてファイナンシャルプランナー資格を取得した」というような話をしていたため、個人事業のお金について詳しいと思われたからだと思います。

「扶養の壁」などパートで働く方に比べて、妻が個人事業主の場合の情報は少なかったため「何か始めたい」という想いを持ちながら一歩踏み出せなかったり、売上が上がってくると「これ以上稼ぐと扶養から外れる」と踏む必要のないブレーキを踏んでいたり、相談を受けると「勿体ない」と感じることがありました。

そんな中で2011年に大阪市立男女共同参画センターのコラボ事業として、女性のライフステージに応じた働き方をテーマに「起業セミナー」を企画し実施したところ、「女性の起業」にまつわる講演や相談のご依頼が増え、気がつけば私の相談者のほとんどがフリーランスの女性となっていました。
セミナーに参加された方や相談してくださった方がオリジナルの商品・サービスを創り上げ、イキイキと活躍されている様子を拝見できることは、FPとして何よりの喜びです。

また、扶養内からスタートして2~3年で正社員の頃の収入を超える人や、法人を設立して活躍の場を広げるようになる人も少なくありません。

「人は何歳であっても可能性の塊で、いつからでも変われる」と私の方が勇気づけられ、励まされてきたように思います。

一人でも多くの方が安心して自己の可能性にチャレンジできるようにとの想いで、2020年に初めての著書となる『小さく始めて夢を叶える女性ひとり起業スタートBOOK』を出版しました。

それから3年が経ち、ますます起業や副業といった「雇われない働き方」に対する関心が高まっていると感じます。

その背景には、次のような労働環境の変化があると思います。

  • 新型コロナウィルス感染症の影響による雇用不安から「雇われない働き方」を模索する方が増加
  • 働き方改革の一環として、副業を解禁する企業が増加
  • テレワークの普及により、働く時間や場所の選択肢が増加

その一方で、インボイス制度や電子帳簿保存法など新たな制度の導入もあり、規模の小さい事業者からは困惑する声が聞こえてきます。実は小規模な事業者に求められることは意外とシンプルなのですが、発信される情報の多くが大規模な事業者向けであるため不安になるのだと思います。

2冊目となる『知識ゼロから始める女性ひとり起業BOOK』では、

  • 「雇われない生き方」に興味を持つ方が、安心して起業や副業にチャレンジできるように
  • 小規模な事業者が会計業務に労力やお金をかけず、制度改正に振り回されることなく、本業に専念できるように

最低限必要な知識を女性目線でわかりやすく紹介しています。
さらに、知識がなくても小遣い帳のように記帳できて「収支内訳書」「損益計算書」が自動作成される「Excel帳簿」を付録とすることで、実務面からも起業をサポートする一冊となっています。

また、ゼロの状態から自分らしい働き方を実現してきた多くの女性に共通する起業を成功に導くポイントや、無理なく「好きな事」を仕事にしていくステップ、起業をサポートしてくれる公的サービスの活用などを紹介しています。

拙著が生活者の働き方・生き方の選択肢を増やし、自己の可能性を信じて一歩踏み出すきっかけとなれば幸いです。