【Vol.244】FIWA認定会員 投稿コーナー

つみたてインディくん

寄稿:ファイナンシャルプランナー CFP®
FIWA®協認定正会員
上山 光夫

*FIWAは金融商品の販売を行わないアドバイザーに与えられる称号です

Mr.Ueyama

自己紹介

米国とスペインでの11年間を含む20年間の国際部門での勤務の後、銀行(CFP)でさらに数年間、国内の企業および個人の財務に従事しました。銀行退社後、化学会社、システム会社、ベンチャー企業へキャリアチェンジ。放送大学で国際政治情報学を専攻(修士)。大阪生まれ、自然豊かな関西が大好き(趣味はトレイルランニング)


「つみたてインディくん」というのは、FIWA®(特定非営利活動法人みんなのお金のアドバイザー協会~FIWA®)が開発したシミュレーションソフトです。FIWA®のホームページには、下記の説明が掲載されています。

本シミュレーションソフトは、クラウドファンディングでご支援いただいた資金で開発し、実際の過去データに基づいて資産時価総額の上下動を伴う推移、投資リターン、リスクなどが分かりやすく試算できるほか、複数の株価指数の過去データに基づく定額積立投資シミュレーヨン、積立投資による将来シミュレーション、定額取り崩しによる将来シミュレーションなどをご利用いただけます。

説明にあるように、このソフトでは、4種類のシミュレーションが可能です。

  • 株価指数連動定額積立投資シミュレーション(過去データに基づく分析)
  • 複数の株価指数の過去データに基づく定額積立投資のケース(過去データに基づく分析)
  • 積立投資による将来の資産シミュレーション
  • 定額取り崩しによる将来の資産シミュレーション

先日、70代のご夫婦が、1年前に作成をお手伝いしたライフプランの見直しの相談に来られました。相談のポイントは、90歳くらいまでは元気でいると思う(元気でいたい)ので、現在の金融資産を運用しながら、取り崩して生活するためのアドバイスが欲しいとのことでした。

この1年間プランを実践してみて、インフレのせいなのか、思ったよりも出費が嵩むことに不安を覚えられたようです。ちょうど2024年度から始まる新NISAに合わせて、資産運用しながらの資産活用を実行して、老後の生活を楽しく充実させたいとのご希望でした。

相談者様に、私がお勧めしたのは、「投資方針書」の作成です。事前に、FIWA®の岡本理事長の投資方針書作成についての記事などをお送りして、投資方針について考えてもらったのですが、文書だけで理解するのは難しいようでした。

面談でお話を伺うと、第一の悩みは、金融資産のうちの現金割合についてでした。全額を投資に回すのは、リスクが大きすぎる、しかし一定額を資産運用しないと、90歳までに資産が枯渇する懸念がある・・ということでした。そこで、まず「つみたてインディくん」の3番目の機能で、新NISAで毎月10万円を90歳まで積み立てたら、どのくらいの金額になるのかをイメージしてもらいました。

次に、同じ「インディくん」の4番目の機能で、手元の現金を取り崩して運用する場合に、90歳まで取り崩し続けるために必要な元金が、どれくらいかのイメージを持ってもらいました。

シミュレーションですから、ご希望に沿って、何回か数字を入れ替えて、計算してお見せしたところ、それまで自分の頭の中で考えていたことが、数字を見ることで具体的なイメージが持てたと言って大変喜んでもらえました。ご自分でもソフトを使ってみたいようでしたが、年間使用料金を聞いて諦められました。(笑)

これらの数字を基に、そのあと具体的な投資方針書作成のアドバイスを行いました。相談に来られる前の漠然とした感覚が、シミュレーションの数字を見ることで、投資方針書のイメージができるようになったと喜んでお帰りになりました。

投資方針書を作ってみてから、一度私にメールで送るので、その時もアドバイスが欲しいと言われていたので、メールが来るのが楽しみです。私は、ほんの少しアドバイスをしただけですが、私との面談がきっかけになって、ご夫婦が充実した老後生活を送る手助けができれば、嬉しい限りです。

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