【Vol.243】FIWA理事リレー投稿
FIWA®理事 石津 史子、CFP®️/FIWA®️
上方軍談三部作が8年掛けて遂に完成
「本気?」
「ほんまや。できる人があればええねんけど。」
緑内障で一部視野が欠けて精神的ダメージを受けていた夫が、ポツリ、太閤記をはじめから終わりまで講談で聴いてみたい!と言った。それは、おぎゃーと生まれて亡くなるまでの一部始終のことかと半信半疑でたずねたら、「そうや」という。
実はこれが、その後8年におよぶ講談音源収録の始まりだった。
「講談で聴きたいの?」
「そうや、講談で聴いてみたいねん。」
雲をつかむような話だ。
本気度を試すために手を替え品を替え(笑)の質問をしたと思う。
しかし、どんどん本気度は伝わってきた。
「よっしゃ、わかった!できるかどうか聞いてみるわ。」
携帯電話を手に取り、その場で講談師旭堂南海さんにこの無理難題を告げた。
「はい、それは長い、長い話ですから、何時間かかるかわからないですよ。それに、まだ私は全部やったこともありませんしね。」
電話の向こう、迷惑そうな顔をした南海さんが小声でこたえている・・・。
「ごめんね。びっくりさせて。実は電話している私も驚いてる・・・。でも本人本気やから、依頼者に会ってもらえるかな?」
ということで、大阪市中央区の守破離という蕎麦屋で会う約束をした。
2014年9月のことだった。
当初は我々に太閤記を読んでもらうつもりだったが、講談師の旭堂南海さんからは、あまりにも長い話だし、その都度、さまざまな文献を紐解いて物語にしていくので一話ごとに時間が欲しいとの申し出があり、「二人だけでは、もったいない」、後世にもきちんと残せるようにノイズのない音で収録することにしましょう…と、話は大きくなっていった。
※
8年余りの月日を経て、
太閤記+関ケ原軍記+難波戦記の上方軍談三部作
二代目旭堂南陵を講談師として出世させた演目「祐天吉松」
旭堂南海さんの創作講談「浪花五人男」
合わせて150時間余りの音源収録活動は、2022年11月に関ケ原軍記で大団円を迎えた。
太閤記(木下藤吉郎編と羽柴筑前守編)と難波戦記は、この活動を知ってCDにしてほしいという要望があったので、ホームページからご購入いただけるようにした。その他の演目は、ホームページで公開している。ぜひ、長編続き読み講談を聴いてみてやってくださいませ。
とはいえ、いきなり長編は「ちょっと…」と敬遠されそう。
まずはホームページの最上部の扇印の「聴いてみる」をクリックしていただければ、公開している短編をいくつか聴いていただけます。
また、動画も1本あります。こちらは、FIWA®マンスリーセミナーでお話しさせていただいた時に使ったもので「金龍縄張り問答」です。とぴっくすの一番下の「動画を見る」からどうぞ!
(ホームページは、「続き読み講談 のこし隊」で検索して下さい。
(岡本コメント:大きな仕事ってやはり8年ぐらいは掛かるんですね。兜日本株価指数は6年掛かりました。FIWAのビジョン達成はまだ3年、いよいよこれからが本番です!)