【Vol.250】FIWA認定会員投稿コーナー

金融資産での運用と不動産投資

株式会社リンクマネーコンサルティング　高橋忠寛, FIWA^®

＊FIWAは金融商品の販売を行わないアドバイザーに与えられる称号です

高橋忠寛プロフィール

10年超の銀行勤務を経て2014年に独立しました。金融商品の販売には関わらない完全に独立した立場で資産運用を中心とする資産管理全般についての総合的なアドバイスを提供しています。
現代社会は様々な情報に溢れ、自分の資産は自分で守らなければならない時代です。
多くの資産運用アドバイザーが「中立性」や「独立性」を謳いながらも金融商品の「販売者側」であり、顧客にとって最善のアドバイスを提供できていない現状があります。
コスト負担の大きい金融商品やサービスを利用するよりも、公的な制度を活用しシンプルな資産管理に取り組むことをお勧めしています。長期的な視点で合理的・効率的な資産運用に取り組むためのサポートをさせていただきます。

「年金対策」「インフレ対策」「生命保険代わり」「節税」などさまざまなセールストークを駆使して不動産投資を勧める自称アドバイザーが、いまだにたくさんいます。

私も日々の相談業務の中で不動産に関する相談を受けることも多くありますので、今回はお客様のサポートをする際に不動産投資についてどのように考えているかご紹介します。

資産規模や投資方針によっては、金融資産での運用と組み合わせて取り組むことをお勧めしていますが、資産運用の基本はやはり金融資産への投資だと考えています。

その理由は主に以下の3つです。

流動性・・・・必要に応じて必要な分だけいつでも換金できる。人生における想定外の事態にも柔軟に対応できます
透明性・・・・情報が開示されている。時価評価額の把握も容易です。取引価格も明確であり、法外な値段で取引されることがありません。
低コスト・・・・取引コストや維持コストが非常に安い。

（もちろん、金融資産への投資でもこれら3つの条件を満たさないものはたくさんあります）

そして、この3つの特徴は不動産投資には備わっていません。

不動産は売却に時間がかかることが多く、一部分だけ売却するというわけにいきません。建築構造上の欠陥があっても、適切に情報が開示されていないかもしれません。
一般生活者にとっては妥当な取引価格を把握するのは難しく、法外な値段で売買させられているケースも多くあります。
売買取引や管理を自分でやるには手間がかかりますし、専門家に任せれば相応のコストを負担することになります。

資産運用の基本となる分散投資がしにくいことも大きな問題です。このように、金融資産での運用と比較すると不動産投資にはデメリットとなる部分も多くありますが、一方で金融資産への投資だけでは期待しにくい大きなメリットが存在します。

不動産投資ならではの具体的なメリットは主に3つです。