【Vol.261】FIWA仲間たより(斎藤 岳志氏)


あなたは、相場が「嵐」の時、どんな行動をしますか?

斎藤 岳志
1級 FP技能士・CFP・宅地建物取引士

プロフィール

1977年横浜市生まれ。上智大学文学部哲学科卒。百貨店、税理士事務所、経営コンサルティング会社などの勤務を経て、2013年FPオフィス ケセラセラ横浜を開設。
マイホーム・投資用物件の購入や売却のサポート、相談がメインのファイナンシャルプランナー。
金融資産はイデコやNISAを活用しながら、実物資産は中古マンションを活用しながら、身銭を切って自らも資産形成実践中。その実体験にもとづいたサポートが強み。
金融資産と実物資産を組み合わせた、バランスの取れた資産形成を目指したアドバイスを行う。


7月後半から8月にかけて、為替や金利、株式市場、それぞれ変化がありました。

特に、株式市場に関しては、日経平均株価が、史上最大と言われる4,451円の下げ幅を記録したと思ったら、その翌日には、3,217円と過去最大の上げ幅を記録しました。そんな疑心暗鬼に陥り、嵐のような状況に相場が陥っている時、私たちはどのように行動するのが良いのでしょうか?

最初に私の結論から言ってしまえば、「だから何?」です。

相場に嵐が吹き荒れているような時でも、凪のような穏やかな心持ちでいること。嵐に巻き込まれて、行動や気持ちが乱れないように、常日頃から備えておくことが、何よりも大切だと私は考えています。

株式投資が本当に好きな方は、こういう時こそ冷静に、値下がりした銘柄の中から、「これは!」と思う銘柄を着実に購入する、という行動をとっていたはずです。投資信託の毎月定額つみたてがメインの私でさえ、値下がりしたタイミングを見て、スポットで追加購入する行動をとりました。

頭では分かっていても、そんな落ち着いて、凪のような気持ちで行動することって難しいと思う方もいらっしゃるかと思いますが、そんな方には、こうお伝えしたいです。

「証券会社の口座にログインしないこと!」

今の数字、金額を見てしまうから、そこで見た現状に心穏やかでいられなくなってしまうと思うのです。「長期・分散・積立」のいわゆる長期投資のスタンスで資産運用、資産形成に取り組んでいるのであれば、日々の値動きを気にするのはナンセンスです。

今回のように、スポットで追加購入しようと思ったときは別ですが、私の場合、証券会社にログインするのは、基本、月に数回だけなので、値動きを気にすることが常日頃からありません。また私は、不動産投資も行っているのですが、中古ワンルームなどの不動産物件に関しては、そもそも日々公表されるような相場もないので、気にする余地がありません。

そのため、私の場合は、日経平均が大きく下がろうが、為替が大きく変動しようが、「だから何?」なのです。だからこそ、嵐のような相場の時に、気もそぞろみたいに、あなたが感じるのであれば、あえてその現状を見ない、あるいは、見ないで済むような資産配分や仕組みにすることが大切ではないか、と私は考えています。

投資の神様と言われる、ウォーレンバフェットさんも、「今後、市場が10年閉鎖されたとしても、喜んで持ち続けられる企業だけを買いなさい」と、おっしゃっています。

20年くらい前の私は、そんな言葉も知らず、市場の値動きに翻弄されている人間だったのですが、心穏やかに、凪のような気持ちで過ごすにはどうすれば良いか?という想いが出発点となり、不動産投資、大家業も始めました。

今年は、アメリカの大統領選挙などのイベントもあり、市場や相場は、しばらく落ち着かない展開になるかもしれません。あなたには、そんな中でも、嵐に巻き込まれず、心穏やかに、着実に資産形成、資産運用を行っていただきたいと思っています。

どうすれば凪のような落ち着いた想いで資産形成を行いながら過ごせるか?どんなスタンスでいるのが良いのか?など、一度立ち止まって考えてみる時間を作ってみるのも良いのではないでしょうか?

金融資産に関してであれば、GPIFのポートフォリオは、保守的で参考にしやすいスタンスなのではないか、と思います。そのポートフォリオの基本スタンスは、国内株式、国内債券、海外株式、海外債券、それぞれに25%ずつ配分する、というスタンスです。