【Vol.283】FIWAサムライズ勉強会より
暮らしを守るために知っておきたい保険の“持ち方”
内田 英子(うちだ えいこ)氏
FPオフィスツクル代表
家計から、安心できる人生をつくる人。
ファイナンシャルアドバイザー / ライフプランニングコーチ /
家計ストラテジスト / CFP® / FIWA®︎

広い目で見ると、保険もあくまで道具の1つであり、大切なことは「使い方」です。自分に向いていないものを選ぶと役に立たず、最悪のケースは自分や家族にマイナスの影響を与える可能性もあるため選び方は大切です。
本日の目標は、損か得かではなく、我が家に合っているかどうかで保険を見直せるようになることです。しかし、これが必ず正解というものはありません。なぜなら一つとして同じご家庭はないため、それぞれのご家庭にとって正解が違うからです。だからこそ今日はご家庭にとって、より良いものを選べるための判断材料となる考え方をお伝えします。
そもそも保険とは、決められた枠組の中でお金を流す仕組みと言えるでしょう。イメージでいうと貯水槽です。もしもに備えてみんなで一緒に使えるタンクがあって、その中にみんなが少しずつ、コツコツお金を流していくことでタンクは貯まっていきます。このタンクには鍵が掛かっています。お金を使うためにはその鍵を開けなくてはいけません。鍵が開けられるタイミングは、それぞれが困った時です。困った時にはタンクを管理している会社が、あらかじめ決められた条件で鍵を開けてくれて、ルールに従ってタンクの中からまとまったお金を皆さんに支給してくれるという仕組みです。保険のいいところは、困った時にみんなの力を利用できるということです。つまりリスクヘッジができます。仕組みとしては、自分が出した分よりも多くもらうことができます。ただし、あらかじめ決められたルールの中でしかお金の振り分けがされない点は、注意が必要です。鍵も自分で自由に開けることができないため、本当にみんなでタンクを管理することが最善の方法なのか、それぞれの状況ごとにしっかりと見ていかなければいけないでしょう。
保険が向いているシーンは、「滅多に起きないけれど 、起きたら暮らしに与えるインパクトが大きいもの」です。例えば、お金を得る機会を失ってしまった時や、大きなお金を1度に必ず支払わなくてはいけないようなシーンです。具体的には、例えば一家の稼ぎ手がお亡くなりになってしまったとか、病気療用やハンディキャップによって働けなくなってしまった。自然災害、火災によって家が住めない状態になってしまった。また、突発的な事故によって高額の賠償責任を負ってしまったというようなシーンです。滅多に起きないけれど、大きなお金の喪失につながるシーンに備える方法。どう見ても、どう考えても自力では無理だよね、というシーンに向いています。一方で保険が向かないシーンとは、軽い病気や怪我の通院。家電や自動車の修理、老後の生活費用や子どもの教育資金準備、住宅の修繕費等です。どちらかというと日常生活にカテゴライズされるようなものです。また、起こる時期の予測が立つものです。これらは保険でなくても、日常生活の中でコツコツと準備をしていく。普段からのメンテナンスでいい状態を保つ。このような対策が王道になってくると思います。
次に保険には、大きく分けて2つの種類に分けることができます。公的保険と民間保険です。公的保険は文字通り、国や自治体等、公的なところが運営している保険です。一方で民間保険は、民間の保険会社が販売している保険商品のことです。公的保険は一般的に社会保険と言いますが、健康保険・公的年金・介護保険・雇用保険・労災保険の5つの種類があります。これは会社員の方の一般的な形です。基本的には公的保険が基礎的な生活を支えるセーフティネットのような役割をしています。一方で民間保険はたくさんあります。例えば、万が一の時に保険金が出る死亡保険や医療保険、ガン保険。また介護保険や認知症保険、個人年金保険や変額保険等のお金が貯まる系もあります。こういったものをひっくるめて生命保険と言います。一方で損害保険というカテゴリーもあります。例えば火災保険や地震保険、自動車保険といったものがあります。やはりたくさんの種類があるため、ともすれば翻弄されてしまいがちになるでしょう。ただ、公的保険は、全員加入が原則となっているため、基本的には公的保険で足りないところを民間保険でカバーすることがセオリーになります。
公的保険は保険料の支払いが義務となっているため、会社員の方や年金生活の方であれば自動的にお給料や年金から15%ぐらい引き落とされていると思います。やはりこれを生かさないともったいないでしょう。
講演では、保険の役割と活用のポイントから、保険証券の読み方と整理の方法をワークの時間も挟みながら、大変わかりやすく解説してくださいました。最後に「目指したいのはご自身にとって幸せな人生です。万が一に備えることがゴールではありません。大切なことは、ゴールまでの道のりを妨げないような保険選びです。家計は収入や支出だけではなく、保険の契約状況、資産運用、住宅ローン、税金等いろいろなものが繋がり合っています。どこか一部だけでなくバランスよく、暮らし全体が心地よく回り続けていることが大切です。人生観と照らし合わせながら足を進めていただきたいです。」と結ばれました。


