【Vol.282】FIWAサムライズ勉強会より
教育費の最新動向と子どもの夢を支える資金マネジメント
小谷 晴美(こたに はるみ)氏
しなやかライフ研究所 代表
ファイナンシャル・プランナー(CFP®)
NPO法人 みんなのお金のアドバイザー協会(FIWA®)理事

教育資金の準備の方法を見ていきます。まずは、教育資金の準備計画。いくらずつを貯めていけるかということを試算していただきたいです。
児童手当は第1子、第2子については2歳まで月1万5000円。3歳から高校生まで月1万円。第3子以降は毎月3万円を受け取れます。これだけを貯めていくだけでも第1子、第2子は 220~230万円になります。第3子に至っては600万円ぐらいになります。このようにお金をコツコツ貯めていくことで、200~300万円は達成するでしょう。更に家計からも足せばなんとかなるのではないかなとは思います。例えばお祝いでもらったまとまった資金があるのであれば、現段階での貯蓄額を入れていただく。具体的に準備計画を立てる上では、児童手当ては、2歳から3歳で切り替わるタイミングで金額が変わることや、小学校の低学年、高学年で分けて積み立て可能額の計画を立てていただければと思います。『毎月これぐらいできそうだな』というお金をどんな方法で貯めていくのか。あるいは増やしていくのか。
教育資金に適した金融商品は、大きく分けると貯蓄型、保険型、そして投資型と分けることができます。 それぞれ大きくこの性質を安全性、収益性、流動性という物差しで見ていきます。
安全性とは、元本がちゃんと確保されるという安心感。100万円であれば100万円は絶対減らさないという安全性が高い商品です。一方収益性とは、期待できる収益が大きい。期待できるということなので、絶対儲かるとか絶対増えるというわけではありませんが、可能性として収益が大きくなるという収益性が高い。流動性は現金化のしやすさ。必要な時に換金できて、すぐに使えるかどうかというように見ていきます。
まず貯蓄型は安全性が非常に高いです。例えば金融機関に預けている預貯金は、もし預けている金融機関が破綻したとしても皆さんのお金は1,000万円とその利息までは国が保証してくれます。ですから非常に安全性は担保されています。しかし定期預金等預金の金利は0.3%ぐらいです。去年の物価は3.5%増えたと書いてありましたが、そういうことを考えるとちょっと収益性は期待できないかなという感じです。換金のしやすさは、定期であっても解約はすぐできますし、お金が減ることもありません。ですから貯蓄型は換金のしやすさも〇です。
一方、投資型は安全性がもちろん×です。価格は株などをイメージしていただくと分かりやすいでしょう。価格は日々変動します。買った値段がそのまま必ず返ってくるとは限らない。その代わり買った時よりも大きく上がるという可能性もありますので収益性は〇です。流動性は市場で売りますので、通常の投資信託や上場している株式であれば、普通に売れるため△です。
保険型は、保険も安全性は予定利率が決まっていて、何年持っていたら解約返戻金がいくらになりますということが一応約束されています。ただ仮に保険会社が破綻したときに返ってくる金額は、払った保険料全額が戻ってくるわけではありません。そういう意味では貯蓄に比べるとちょっと安全性は劣るでしょう。収益性についても、貯蓄よりも今のところちょっといいけれど、投資に比べると大したことはないという感じです。流動性については、これが1番のネックです。一旦契約すると10年20年続けていかないと逆に元本が割れてしまうようなことがありますので、流動性は×という感じになっています。
全部〇というものはありません。それが金融商品の特徴ということであり、それぞれ強いところ弱いところがあるので目的に応じて使い分けるということになります。
もう1つ最近気になるのが、一般的に教育資金というのは支出時期が決まっているので、例えばリーマンショックが以前ありましたけど、そういう株価が大きく下落するようなタイミングの時に受験が訪れてしまった場合、やはり投資では怖いよね。だからきちんと貯蓄や保険をベースにしっかり備えていこうという考え方があります。しかし一方で大学の授業料もインフレが起きてだんだん上がっていくという可能性もあります。そこで私はミックスさせて考えていった方がいいんじゃないかなと思っています。ここはそれぞれ考え方があると思います。ベースの200万円ぐらいというのは、こども保険なり、一般財形といった貯蓄などできちんと準備しておく。さらに、もう少しプラスで投資型、投資信託等を使っていただくのがよろしいんじゃないかなという気はしております。商品例として教育資金に貯蓄型の中でも一般財形は、給料から勝手に引かれますので確実に貯まる仕組みになっています。仕組みとしては、まず貯めやすいということもよく考えていただいて選択していただけるといいと思います。
講演では、高校までに掛かる教育費と、大学や専門学校の進学費用の目安を具体的に説明され、教育資金のプランの描き方を分かりやすく解説。最後に教育資金の賢い備え方と不足する場合の借り方として、奨学金と教育ローンについて詳細にわたり丁寧に解説いただきました。


